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Number_i「Blow Your Cover」MVを初見して

Number_i のセカンドデジタルシングル「Blow Your Cover」が2024年4月12日0時にリリースされた。

この曲はGOATのシングルCDにも入っていた曲だが、この度シングルカットされ、デジタルリリースされた。
シングルカットするということはそれだけ自信があり、力を注ぎたいと思える楽曲だということ。また、平野紫耀の言うこれから自分たちの能力をアピールするための「手札」なのかもしれない。

「Blow Your Cover」とは、「君の殻を破りたい」「君を覆うものを取っ払いたい」といったような意味がある。
Spotifyなどで探すと、世界中のアーティストがこのタイトルの楽曲を発表していることに驚いた。ということは、全人類で考えてもこういったシチュエーションに遭遇したことのある人が多いということ。
恋愛において、こんな場面で困ったり悩んだりした人が世の中には五万といるってことだ。

MVは神宮寺(以下ジン)のカットから始まる。
シーツが乱れたベッドの上にジンが座っていて向こう側には顔の見えない女性の後ろ姿が。想像するに、そういう行為をした後、ということだろう。
何も話さずに出て行く女性を見上げてため息をつくジン。うなだれたその姿はその女性との関係に苦しんでいる、と読み取れる。

その後平野(以下紫耀くん)のバスタブシーン。
服を着たまま浴槽に入っている何とも艶っぽい姿。切ない表情が何があったのかと想像を掻き立てる。ゆっくり湯船に浸かっていく様は絵画を見ているような美しさ。

その後岸(岸くん)のアップが映し出されるのだが、驚いたことに泣いている。この演出を誰が決めたのかは知らないが、岸優太の涙の演技はドラマや映画で定評があり、このMVにも強い余韻を残している。15秒も泣きのシーンが使われていることに岸担としてはとても嬉しかった。
泣くほどに切ない恋をしている。
なのに手放せない、好きだから。

その後イントロが流れ、曲が始まるのだが、この冒頭のストーリーだけで想像力をかき立てられるから、このイントロが何ともドラマチック。
黒子のようなベールをかぶった女性が出てきて、この女性たちと3人がドラマを演じていく。

旧事務所にいたときはMVで女性と絡むとかありえない世界だったので、すごく新鮮だったし、少し怖さもあったけど、世界観にのめりこんだら普通に見れましたね。というか、ああいう絡みは必要だと思うし、歌詞の意味を考えたら女性が出てこないのもおかしい話だし。
ジンが女性に近づこうと恐る恐る近寄るシーンは表情に注目してほしい。ジンってこんなに目の演技上手かったっけ?私はびっくりしたよ。

顔を隠すベールを取ったらすり抜けていく女性たち。
掴まえようとしても掴まえられなくて。逆にベールを取り返してまた顔を隠される。そんな繰り返し。

誰か著名な方が言っていたな。「男と女は分かり合えることはない」と。
わかっているつもりでもそれは間違いだと。生物学的にも身体的にも生きていく上での役割も少し違う。ジェンダーレスの時代にこんなことを言ったら非難されるかもしれないが、決定的に違うのは女は子供を産めるが男は産めないということ。「同じ」という括りはできないのが現実。
昔流行った本に女は「共感脳」で男は「目的脳」であると書いてあった。それはとてもよくわかる。女はわかってほしいと願うが、男は現実的で○○したいから動く。そんな人が多いのだ。
男は恋をすると100から始まり、幻滅すれば数字が下がっていく。女は0から少しずつ100になっていくと聞いたことがある。
女は慎重で、初めから燃え上がらないことが多い。それは相手が自分や授かった子供を守ってくれる人かを見抜こうとしているからなんだって。男はターゲットを自分のものにするためにぐいぐいと近づき手中に収めようとする。自分の子孫を残してもらうために。そもそも近づき方や、恋するプロセスが少し違っているんだよねえ。

なんでこんな話をしたかというと、このMVにはそういう背景もあるような気がして。根本的になかなか分かり合えないし、近づこうとすればするほど離れていく。もどかしさ、切なさ、歯がゆさみたいなものをこのMVは描いている気がしている。

このMVを夫と見た後、夫が「何でこんなに女の人がいっぱいいるの?意味が分からんのやけど」と言ったの。私の推測では、一番最初に出てきたロングヘアの女性が恋の相手ではあるけど、その後多数出てくる女性は彼女のたくさんの顔(人格)を表しているのかな、って。男性側から「女ってわかんねえ」って言われたことないですか?女って不思議なことにたくさんの顔があって、使い分けができたりするんだよね。わかったつもりでいても、本当の意味で理解するのは難しい。それをこのたくさんの女性で表しているのではと感じた。

女性の頬につたう涙を指先で触れる紫耀くん、触れるのをためらうジンくん、驚き目をそらせない岸くん。三者三様の反応。この演出はクリエイターさん側が提示したのか、Number_i 側が提案したのか。そこも気になるところ。
いつか詳しい制作秘話を聞かせていただきたいものだ。

男女の相容れない部分が浮き彫りになった曲だと思う。男が堪えられなくなり、ベールをはぎ取ると、自由自在に踊り始める女たち。触れると今度は崩れ落ちてしまう。そのシーンは「好きになればなるほど離れていく」「掴めない」を象徴しているようだ。
やはり最後まで手中に入れることはできなくて男は立ちすくむ。
愕然とする感じが伝わってきます。

Number_iの三人がアダルトな魅力を私たちに届けてくれている。
「いろんな顔があるんで」「もっと新たな自分たちを出していけたら」と言っていた3人が覚悟をもって作った楽曲たち。
愛さずにはいられないでしょ。
ちゃんと受け止めたいから、何度も何度も聴いて、感想を届けたい。
MVも何度も何度も見て新たな発見をしたいし、Number_iの制作に対する熱意を感じて同担たちと一緒に唸りたい!!

どっぷり浸かってしまうMVをどうもありがとう・・・。

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