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EXIT 兼近大樹・著 「むき出し」を読んで


10月27日
兼近さんの小説「むき出し」が発売になった
発売は27日だけど、その前々日から
都内の何軒かの書店では
店頭に並べられフラゲができていた
そして、前日には当の兼近さんも
都内の某書店に足を運び
自分の本が並べられた陳列棚や平置きを
自分の目で確かめに、いや味わいに出かけ
書店の許可の元、インスタライブをしてくれた
嬉しかったと思う
もちろん、応援しているファンのみんなも
心から祝福をしている

兼近さん、発売おめでとう


ここからは感想に入ります
あくまでも個人的な主観ですので悪しからず
ネタバレ含みます
(読んでくれる方はご注意を!)


「むき出し」をゆっくり1行1行噛み締めながら
次の行へと読み進めていく
主人公の「石山大樹」という1人の少年が
この1冊の中で成長していく過程と
心の変化や、あらゆるものを背負い
これからの人生を生きていく覚悟みたいな
それら全てが解放されていく様を
しっかりと見ることが出来る感じがした

幼い頃から、自分に起きることは普通
それがたとえ暴力であっても
お金が無くてご飯が食べられなくても
身の回りの事を放ったらかしにされても
彼には「普通」だった…
石山少年が自分の受けてきたことを
周りにしてしまってもそれが彼には「普通」
「普通」って何?
普通はそんなことないんだよという事を
周りの大人が教えられる力を
そもそも持ち備えていなかったのだろう

幼い頃の石山少年を守ってあげたいと
しっかり抱きしめてあげたいと
過去には戻れないし
ましてや出会うことなんてないのに
泣きながらそう思った

その頃に、もし、出会っていたら
何かできたかもしれない!
いや、でも、何も出来なかったかもしれない…

何かしらの問題や出来事を乗り越え
苦労してきたという人でも
石山少年の人生を
普通だと思える人は少ないと思う

唯一、のめり込んで一生懸命にやっていたこと
その先に抱いていた夢も
お金が無いことが理由で諦めたという
他に方法があったかもしれないのに
そんな手段を模索することさえ
誰も気づかないし教えてもくれなかった
胸の奥が締め付けられる気がした…

石山少年は少しずつ大人になっていた

中学生から高校生へ
そして社会へ

自分がヒーローになりたくて
誰からも注目されたくて…
まさに、承認欲求 強め

そんな彼が、自分のしてきたことや考え方
これまでの人生を思い返して後悔して
自分が変えてしまったかもしれない誰かの人生
自分が越えられなかったあの時の石山少年
それら全てを背負い生きていく覚悟が
この「むき出し」に詰まっている

彼には心の片隅にそっとしまい込んだ人がいる
その人からもらったある本と出会い
彼の人生は大きく変わった
いや、もはや変わろうとしていた彼の
背中を押したのかもしれない…


大人に不信感を持ってしまった人
厨二病と片付けられるのが嫌な人
普通の家庭に生まれ普通に育った人
夢を諦めてしまった人
低所得で生活がキツいと感じている人
仕事をしたくてもできない人
子育てで行き詰まっている人
人生を変えたいと思っている人…

まだまだ色んな人がこの社会にはいて
その色んな人にぜひ、読んで欲しいと思った
私が今まで読んできた本の中で
初めてかもしれない…こんな感情


ここに出てくる石山少年は
きっと誰よりも人間味があって
本能と感情のままで生きていた

もう、我慢しなくていいんだよ
泣きたい時は泣いていいし
痛い時は痛いって言っていい
苦しければ助けを求め
甘えたければ抱きついてきていい

読んだ後のなんとも言えない温かい気持ち
今、そばにいる人に目を向けて
優しくいたいと強く思わせてくれた…

兼近さんの描きたかった世界に
登場してくれた全ての人達に感謝

この世に放たれた「むき出し」に
関わってこられた皆様
りんたろー。さん ありがとう


兼近さん、本当に、本当におめでとう
そして、この本を書いてくれて ありがとう


このブログを読んでくれた皆様にも感謝

気になった方は手に取ってみてください



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