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「人間を生産性で測るな」という言葉について、経営者として思うこと

れいわ新選組のスローガン、「人間を生産性で測るな」という言葉を聞くたびに、後ろめたい気持ちになる時がある。

8年間企業を経営する中で、僕は誰よりも「生産性」を重視してきたからだ。当然だけど、社員一人一人の生産性が低い会社は成長できないどころか、潰れてしまう。

そして、職務に基づいた等級をつくり、人事評価に基づいて給与を決めていくこと(=つまり「生産性」に応じて給与を決めていくこと)も、私企業として重要なことだ。

一方で、僕はうつ病・発達障害・中退など、社会の中で一見「生産性が低い」と思われがちな方々を支援してきた。
僕自身も、発達障害とうつ病によって長く働けない時期があった(そして今も、「起業」以外の仕事になると、僕の生産性は低い)。

僕自身は、かつて「生産性が低い」当事者だった。けれども、経営者としては「生産性」を重視しなければならない。

だからこそ、思う。
私企業が持つ「生産性」の概念が、社会全体に広がってしまったら、生きづらさを抱えている人はもっと生きづらくなってしまう。

いつの時代も、仕事でなかなか成果を出せない人はいるだろう。残念ながら、私企業はそういう人を包摂しきることはできない。少なくとも、僕はあらゆる人を包摂するような経営はできない。

だからこそ、「社会」はあらゆる人を包摂しなければならない。政治にはそういう「社会」を創って欲しい。



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