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No.18 GTO Wizard Blogの解釈記事【The Three Laws of Indifference】

本記事はGTO Wizard Blogを私なりに解釈し、友人に説明するならどのように書くかな?と再まとめしたものとなります。
今回の記事は「The Three Laws of Indifference」になります。

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本記事は「Indifference」について、解説していく。これまでの記事で、MDFの説明にて「相手のEQ=0のブラフハンドをベットとチェックの間でインディファレントにする」と記載をしてきた。この「インディファレント(Indifference)」はポーカーを上達していく上では不可欠な内容である。本腰を入れて、読んでみてほしい。

さぁ、仕事でWSOPに行けない人も来る日のために座学をしていこう。


■ 導入

「インディファレント」は誤解しやすい概念の 1 つであるため、注意が必要だ。「インディファレント」は「2つ以上のアクションが同じ価値(EV)を持つこと」を意味する。

(筆:例えば、コールとフォールドがインディファレントである場合は、コールもフォールドも同じEVを持つことになります。そのため、どちらのアクションを取っても問題ない。ということになりますね。)

GTOにおいてインディファレントが果たす役割を理解することは、理論を学ぶ上で非常に重要である。本記事では、インディファレントについて、3つの基本的な法則を概説する。これらの法則はGTO とエクスプロイトを含む、全てのポーカー戦略に適用される。


■ 法則①:自身に対するEVの法則

完璧な戦略とはあらゆるスポットで常に最高のEVアクションを行うことだ。そのため、君の残っているレンジのEVを高めるために一部のハンドを犠牲することは「絶対に」ない。

シンプルに考えてみよう。何故、わざと負けるプレイをする必要があるだろうか?いつもベストなプレイをすれば良いだけだろう。

改めてお伝えするが、残レンジのEVを向上させるために -EV のハンドをプレイすることはない。長期的にみて負けるコールであるならば、コールして損をする意味は全くないのである。

「法則①」は「法則②」に繋がるのでしっかりと心に刻もう。

(筆:私は糞コールを良くします。だって、むかつくんですもの…。)


■ 法則②:インディファレントの法則

ハンドに複数のアクションが混在している場合、それらのアクションは同じEVになる。例えば、コールとフォールドが混在する場合、コールのEVは 0EVでなければならない。またナッツハンドにコールとレイズが混在する場合、トラップするアクションはレイズと同じEVがあるということある。

(筆者:もしコールとレイズで、レイズの方がEVが高い場合は混合戦略にはならず、レイズのみの単純戦略になりますね。)

上記の内容を言い換えると、同じEVのアクションを持つハンドはそれらのアクション間でインディファレントでなければならない。例えば、コールに $3のEVがあり、レイズにも$3のEVがある場合はコールとレイズの間はインディファレントでなければならない。

改めてお伝えする。より低いEVのアクションを選択する必要はない。コールがフォールド以上のEVがあるのであれば、決してフォールドしないでほしい。

では例を見てみよう。UTG がオープン、BTNが3betした。UTGはKQsを持っている。

アクションを見てみよう。4bet&コールのアクションは「EV=0.31bb」であることがわかる。これは混合戦略であり、2つのアクションはインディファレントである。

レンジ全体を見てみるとほとんどがインディファレントなアクションであることがわかる。A5s(EV=0)はフォールド/コール/4bet。QQ(EV=42.7)は、オールイン/4bet/コールの間でインディファレントである。純粋なアクションのハンドはほとんどない。基本的に戦略はこのように混合され、考えられる全ての対抗戦略に対して、エクスプロイトされないようにする。

法則②は相手がどのような戦略を取っていようと成り立つ厳密な法則である。これは「GTO戦略」、「エクスプロイト戦略」、および「あらゆる戦略」に当てはまる。もし、相手がエクスプロイト可能な戦略を取ってきたとしても、一部のハンドは依然としてインディファレントな決定に直面することになる。エクスプロイト的な戦略は不完全な戦略に対して、インデファレントなアクションが少なくなる傾向があり、純粋なアクションが多くなる。インデファレントはGTOに依存せず、相手の戦略にのみ依存することを覚えておこう。

(筆:場合によりますが、ソルバーが「-EV アクションを提案する」「混合戦略なのにEVが異なる」ことがあります。これはノイズのせいで、十分な精度で計算するとノイズは消え、上記のようなアクションは消えるでしょう。)


■ 法則③:固定戦略の法則

過去の記事で記載をしたことはあるが改めて説明しよう。インデファレントなアクション間にて、アクションの頻度を変更した場合、固定戦略に対してEVを失うことはない。混合戦略の頻度ミスを利用できるのは、相手が戦略をアジャストさせた場合に限る。

Q. 混合ミス?固定戦略って?
・混合ミスはインデファレントなアクション間にて、ハンドの頻度を動かすことである。
・固定戦略(GTO等)は対戦相手にアジャストして、戦略を変更することはない。

難しく考えることはなく、以下のように考えてみよう。

君が行ったことは、「同じEVを持つ、2つのアクション間で頻度をズラしただけ(単に2つのインデファレントなアクションの頻度をズラしただけ)」である。これらのアクションは両方とも同じEVを持つため、相手が戦略を変更しない限り、相手は利益を得ることができないのである。

(筆:混合戦略の頻度ミスは相手がアジャストしてこないと咎められないからですね。)

例えば、君がKKを持っていて、30% コール/70% レイズすることで、インデファレントになると仮定する。相手はこの戦略に対してエクスプロイトはできない。しかし、君は戦略を変更し、50%/50%でレンジを分割するとする。これは混合ミスにはなるが、両方のアクションのEVは同じとなる(法則②)。

相手が君の混合ミスに気付いても、戦略を変更しない場合、EVロスは起こらない。ただし、相手がアジャストをしてくると、君の混合ミスはEVをロスしてしまう。

法則②で紹介した例を再び確認しよう。

もし、あらゆる頻度でフォールドする全てのハンドをフォールドしたとしよう。はたして、この頻度変更に対して、君のEVは変わるだろうか?

答えは「No」である。君が行ったことは、ただ多くの0EVハンドをフォールドしただけである。ただし、例えば相手が「さらに広いレンジで 3betし、君のオーバーフォールドを狙う」アジャスト=エクスプロイトをしてきた場合にはEVロスが発生する。このようにBTN が戦略を変更した場合にのみ、混合ミスに対して利益を得ることができることに注意しよう。

この概念を理解するには、1つの重要な理解が必要だ。それは「君のハンドでの最善のアクションは、対戦相手の戦略によってのみ決定される」ということである。君のレンジ内のインディファレント領域は相手のプレイに依存する関数である。従って、君のレンジ内のインディファレントであるハンド/アクションを変更する場合、相手はEVを得ようとするならば、戦略を変更する必要がある。

この章をまとめると…

GTO は固定戦略である。従って、混合ミスに対しては利益を得ることができない。ただし、「純粋なミス」に対しては利益を得ることが可能だ。逆に言うと、固定戦略に対して損失をもたらすアクションは全て「純粋なミス」である。

GTO は「あらゆるミス」に対して、利益を得ることができるという、よくある誤解があるが、これは誤りである。上記で整理したように、GTOは純粋なミスに対してのみ、利益を得ることができる。

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