ハードウェア開発特化のタスク管理ツール「Devel Hub」をなぜやるのか

yusuke

初めまして、Anyloc代表の福原です。ご覧いただきありがとうございます!ハードウェア開発特化のタスク管理ツール「Devel Hub」がなぜ生まれたのかについて書こうと思います。

自分は子供の頃、ミニ四駆にハマりその頃からハードウェアエンジニアになることを考えていました。大学では電子工学を学び、大学院では研究室選びの時にじゃんけんで負けてバイオケミカルを学ぶことになりましたが(笑)、卒業後は電気エンジニアとして社会に出ました。電子回路設計者として、3年強キヤノン株式会社で働き、その後3年弱ZMP(自動運転のベンチャー)で働きました。

会社員として働く一方、私には夢がありました。「いつかiPhoneのような革新的なデバイスを作りたい」という夢が。ものづくりエンジニアであれば、一度はiPhoneのような世の中を変える革新的な製品を作りたいと思うものじゃないでしょうか(偏見)?笑。iPhoneは私が大学生だった時にまさに普及していったので、余計に印象に残る製品でした。

いきなりスマートフォンは無理なので、まず初めにIoT機器を作ろうと思い、創業融資で公庫からお金を借りて会社を立てました。弊社Anylocは元々IoT機器メーカーだったのです。そこでは、電子回路の設計だけではなく、ウェブアプリの開発、ファームウェア開発、筐体のデザイン(CAD操作は外注)を独力で行い、試作まで辿り着きました。大変でしたが、いつかは世界を唸らせる製品を作る、そのための第一歩なんだと思いがんばりました。そして何より自分でデザインしたデバイスは愛着しか湧きませんでした笑。しかし、試作量産フェーズでつまずきます。日本人エージェント経由で中国の業者に頼んでいた筐体が出来上がらなかったのです。量産の谷と聞いてはいましたが、まさにそこにはまってしまいました。筐体の作成難易度が高いことに気付き、他の会社に金型作成の見積もりを取っても驚くほど高い金額を提示され、諦めるほかありませんでした。

ハードウェア製品を量産できるほどではありませんでしたが、資金はまだ残っていました。そこで決断を迫られます。このまま会社を畳むか、続けるか。畳んだ場合は次の融資を受けれるかどうかわかりませんでした。当時31歳だった私はもう一度チャレンジしたい、世の中に爪痕を残せるチャンスがあるならまだそれにかけてみたいと思いました。そこで残り資金で会社を続けるという選択をしました。そうなると、手元の資金でできる事業を考える必要があり、手元資金が少なくて始められるソフトウェア事業で会社を復活させることにしました。

IoT事業が失敗に終わったタイミングで会社を休眠させ、当時5名のスタートアップにソフトウェアエンジニアとしてジョインしました。小さなスタートアップを選んだのは、事業をどう伸ばすかを経営者に近い位置で見たかったからです。幸い、IoT開発で培ったソフトウェアの知識がいき、転職はすんなりと決まりました。そこでは、うまくいったこと、いかなかったこと、さまざまな情報を営業さんや社長伝いで聞き、かなり勉強になりました。当時私に致命的にかけていた、経営的な視点を培う大きな場となりました。ペーペーのエンジニアをご指導してくださった上司や仕事で関わった方々にはとても感謝しております。

そんな最中、1つの記事を見ます。アメリカのスタートアップがハードウェア開発の効率を改善するサービスをローンチし資金調達したと。その会社の創業チームはAppleやAmazonのハードウェア製品に関わった人たちで構成されていました。ハードウェア開発ということで馴染みがあった私は、その会社のブログを読み漁りました。そこで仰天の事実を知ります。アメリカを代表するハードウェア開発会社であっても、職場ではエクセルやパワポが飛び交かっていると。

ハードウェアエンジニアとして働いたとき、納得がいかない点がありました。使うツールが古すぎることです。CADのUIは微妙だし、基板製造を頼んでもやりとりはメール&エクセルで抜け漏れが起きやすし。ソフトウェア開発でGit Hubなどをちょっと触っていた私は、ハードウェア開発のツールが洗練されていないことに違和感を感じていました。ただ当時は、「まだ2社しか経験していないし、他社だったらもっとちゃんとしたツールを使っているのだろう」とか、「DXの遅れた日本だからこんなことが起きているだけであって、アメリカだったらもっと洗練されてたツールを使って仕事してるのだろう」と思っていました。しかし、違っていたのです。ハードウェア開発のプロセスやツールは、CADの普及以来20年間「世界中」で変わっていなかったのです。この時、自分だけの問題から、世界中のハードウェア開発で起きている問題へと意識が変わり、「この課題、自分で解決したい」と思うようになりました。

ハードウェア開発をしていて特に気になったのが、既存のタスク管理ツールはあくまでソフトウェアの開発フローに適応した作りとなっているため、そのままではハードウェア開発に使いづらいということです。ハードウェア開発では1つの課題に対して、複数の部品やアッセンブリが関わることがあり、それを既存のツールで表現しづらいのです。課題タイトルの命名規則などで頑張って分類しようとすればできなくもないのですが、部署移動や退職が発生したりするとルールがあやふやになるのは目に見えています。結果として、多くの場合、1つの製品に関わる人たちなのにも関わらず、個人単位やチーム単位でエクセルやツールを導入して、タスクリストや検討情報をバラバラに管理することにつながっています。これでは問題が起きた時に、どこで情報を探せばいいのかわからなくなります。

加えて、もう一つ気になっていたのは、3Dデータ上で設計情報を共有するツールがないことです。コロナ下でリモートワークが強制される中、メカエンジニアと基板形状についてすり合わせをする際に、常にスクリーンショットをパワポに貼り付けて送り合っていました。エレキエンジニアの私はCADのライセンスがなく3Dデータを直接みる方法がなかったためです。ちょっとしたことでウェブミーティングを開くのも手間ですし、「ここをこう変えてほしい」とパワポで説明するのも時間がかかります。3Dデータを見せて、「ここ」と指し示すことができたら楽だなと思っていました。ソフトウェア開発では、全てがコードという名の文字でやりとりできるので、共同作業にさほど負担を感じません。文字情報中心のソフトウェア開発と、視覚情報中心のハードウェア開発の大きな違いです。

今まで話してきた、①複数要素の紐づくタスクを表現できて、②3Dデータ上で設計情報をやりとりできる、ハードウェア版タスク管理ツールを作ろうと思いDevel Hubの開発をスタートしました。このサービスを普及させることで、ものづくりに関わる方々にとって働きやすい世界を目指していきたいと思います!

仲間を募集します!

ハードウェア開発のプロセスはCADの普及以来20年間変わっておらず、DXする余地が大きいフィールドです。製造業は国内GDPの20%も占めるため、ハードウェア開発のプロセスを改善できると世の中に大きなインパクトを与えられます。ご興味ありましたら、創業メンバーとして一緒に働きませんか?お問い合わせ欄よりご連絡お待ちしております!

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yusuke
株式会社Anyloc代表取締役