就労会計に影響する安定した仕事と不安定な仕事
写真は、提携の取引先様からいただいたハウスクリーニングのお仕事
B型事業所では受託業務の請負が必須です。
その請負う際の、大事なポイントを整理してみました。
大事なポイントをあげてみる
・障がい者に対する理解
・納期
・仕事内容
・請負い単価
・時間で請負うのか、業務を完了することを請負うのか
・お客様の雰囲気
・お金の支払い方法
・作業場所と事業所との距離
・仕事量。単発なのか、定期的にいただくお仕事なのか。
これらが、仕事を請負う時に大事にしていることです。
もちろんこれら全部がバッチリ揃っているお客様はほぼないのですが、
長くお付き合いさせてもらっているお客様は、ほぼ良い状態でこのポイントを抑えています。
どうやって交渉するのか
「断る」ことを恐れないことです。
これは障がい者の受託業務だからではなく、受託業務全般に言えることです。
「せっかくの紹介だし」
「障がい者のためだと言ってくれているから」
「いま、安くても後々値上げしてくれるかも」
これらを理由に請負うと、後々トラブルにつながることが私の経験上ありました。
例えば、紹介で請負った仕事は、紹介者の影響力で依頼してくれるケースがあり、「わがままを聞いてくれる」と誤解されていました。打ち合わせをして、実際にお客様の雑草抜きの仕事をしに行くと、「あれもやって、これもやって」と追加の仕事が発生し(もちろん無料で)、疲弊することがありました。
また、障がい者のためと言って、パソコンに関わる仕事をいただいたケースがありました。
しかし、自社がパソコンの受託業務を縮小し、清掃業務に力を入れるよう方向転換した際、そのお客様だけ契約期間満了後も打ち切ることができず、1年間引き伸ばして続けたことがあります。
最初に値切ってくるお客様は、後々値上げ交渉の際、嫌な雰囲気になって解約になったケースが数件あります。障がい者だから安い仕事で良い理由はなくて、仕事に対して適正価格を支払う感性を持っていない方は、そのようにご自身も取引先にされているのかと想像します。
どうしても仕事がない時は、嫌な仕事でも請負うことってあると思います。
しかし、その先には悪循環の未来しかなく、スタッフの疲弊につながります。
ある時期に、資金繰りの目処をつけて、技術の取得など投資をすることで、よりよいお仕事を得ていくしかありません。
現在当社は、清掃技術を身に着けて良い仕事を請負うために、1年間投資することにしました。
何を基準に請負うのか
大事なことは、自社がどのような方向性で、どのくらいの時間単価をもらいたいのか、
を明確にすることです。
当社は、「ある障がい者が得意な、一人で行う仕事を請け負わない」ことにしました。「誰かが休んでもチームで行える仕事」を請負います。
また、時間単価は最低500円。工賃(障がい者のお給料)が310円で、それに販売管理費を乗せた額を算出しました。
単発か定期かは、仕事内容によるので重要視せず、一度お付き合いしたい方であれば、単発でも喜んでやりますし、上から目線などの嫌な感じがあれば、どんなに金額や定期のお仕事でもお断りします。
まとめ
これらのことってどうやったら自社の基準を作れるのかと言うと、やはり経験と失敗から学んだと言わざるを得ません。ここ2・3ヶ月で基準を社内共有しはじめました。
試行錯誤する中で、自社にあった仕事を選んでいくためには、「自分たちはこうしたい」と常に考え続けることが大事です。最初はズレていても、その時の最大の決断で仮ぎめしていくことが鍵です。
経理をする中でも、安定した取引先様からは入金漏れもありません。それらの結果が資金繰りに好影響となります。そうすることで、安くて嫌々仕事を引き受けることが減り、より良いお客様とのお付き合いができる好循環につながります。
安定した仕事をとるために基準を明確にしてみませんか?
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