見出し画像

889回目:【英語】地獄の鍛錬〜スピーキング力を上げる方法〜

【1】2024年01月01日

もう一度、英語を鍛え直すことを決意した。

私の英語歴を少し紹介する。2004年アメリカに短期留学し、就職後2015年アメリカに語学留学で10ヶ月ほど滞在し英語の習得を行なった。また、2024年現在私はインドに駐在しており、毎日のように英語を話している。さらには、外国人の妻を持ち、2人の共通言語は英語ということで、ほぼ9年以上は英語を毎日話す生活を送っている。

しかし、現在の生活に慣れすぎ、特段コミュニケーショに問題がなくなった故、実は、自分の英語が退化していことにも気が付かなかった。その理由としては、日々使っている言葉はある程度パターン化され、仮に間違っていたとしても相手が理解してくれる環境が整ってしまったからた。そんな自分を律し、もう一度、自分の英語力を更に高めようと、2024年01月01日から、英語力向上の為の、私の独自メソッドである、「DUO 3.0」を使った「修行」を改めて再開させた。

【2】私がずっと陥っていたジレンマ

2015年、私はアメリカに語学留学の経験がある。語学学校では、アジア人の生徒はテストの点は他の国の生徒よりも取れていたが、実生活で英語を活かすことができず、その葛藤に苦しんだ。この葛藤は、アジア人、特に日本人によく見られるものだ。義務教育で10年間も英語を学んできたにもかかわらず、人とコミュニケーションをとることができない。自分の英語が恥ずかしい。正しいかどうかわからないから、そもそも話せない。話そうともしない。即座に出てしまう「イエス!イエス!」の言葉のみ。

一方、アメリカの語学研修に来ている他の国の生徒たちは、テストの成績は私たちより悪いものの、アメリカ人の人々と普通に話している。これは、大学時代に短期でアメリカに留学した時や、2015年のアメリカ留学の時も、私が常に陥っていた英語に対するジレンマだった。

【3】英語学習における「完璧」の誤解

英語を勉強する際に、多くの日本人が「完璧」を目指す傾向にある。しかし、そもそも「完璧な英語」とは一体何なのだろうか。

日本語を考えてみると、地域によって言葉遣いやアクセント、そして表現方法が異なることはよく知られている。東北弁、東京弁、大阪弁など、日本人はそれぞれの方言に慣れ親しんでおり、たとえわからない言葉や方言で聞き取れない言葉があっても、さほど気にしない。

しかし、突然「英語」となると、その感覚が失われてしまう。

1.3億人しかいない島国日本ですら、さまざまな方言があって、100%理解することは到底難しい。では、世界には18億人の人が英語を話すと言われている昨今において、「正解とされる英語」とは、一体どんな言語のことを言うのだろうか。100%英語を理解することなんて、到底不可能なのではないだろうか。

英語を話すと言われる人口は世界に18億人いて、英語を母国語としている人口は、4億人と言われている。残りの14億人は第二言語として英語を話す人々と言われている。これだけ増えてきているのであれば、正しい英語なんてものは、果たして存在するのだろうか。

にもかかわらず、存在し得ない「完璧な英語」を果てしなく求め続け、わからないことに億劫になり、日本人の多くはその学習過程の途中で投げ出して諦めてしまう人々が大半であると言えるのではないだろうか。

この世の中、アメリカ英語、インド英語、イギリス英語、中国英語、日本英語・・・全部正解だ。

大事な考え方としては、「英語同士で話あっていても、わかり合えない可能性の方が高い」と、認識でいたほうがむしろ気分が楽かもしれない。

【4】日本人の英語力

世界の非英語圏における日本人の英語力は、1990年代から2000年代にかけては、比較的高い水準を維持していた。しかし、2010年代以降は、急速に低下傾向にある。

2023年には、スイスの教育機関「EFエデュケーション・ファースト」が発表した「EF英語能力指数」(EF EPI)によると、日本人の英語力は非英語圏113カ国・地域中87位にランクインした。これは、前年より7つ順位を下げたものであり、アジア諸国の中でも下位のレベルとなっている。

【5】子供と大人の第二言語習得の違い

子供は大人よりも言語野が未発達であるため、環境に身を置くことで自然と言語を習得できる。しかし、大人になると言語野が成熟するため、この方法は通用しなくなる。

そのため、大人になってから第二言語を習得するには、圧倒的な時間と自力での努力が必要である。子供でさえ数年を要する言語習得を、大人が一朝一夕に身につけることは不可能だ。

また、大人の脳みそは既に固まっており、新しい情報を受け入れにくい。そのため、単語や文法を覚えるだけでなく、発音やリスニングなど、あらゆる面で練習を積み重ねる必要がある。

週一の英会話レッスン、留学したら自然と身につく、そんな謳い文句で英語が話せるようになるのは、極めて不可能に近い。英語を習得したいのであれば、「修行」や「トレーニング」に近い鍛錬が必要になる。

冒頭、「子供の脳みそは未発達」だから、言語の習得は子供の方が向いていると書いた。それは間違い無いと思うが、それに加えて、子供は幼い頃「頑張って言語を取得している」ことも見逃せない。両親から、何度も何度も「パパ!パパだよ」と教わるところから始まり、子どもが間違った言葉を発したら、両親から直してもらっている。それを数年に渡り付きっきりで実行されている。つまり、子どもは両親の教育によって言葉を習得している。当たり前と思われがちだが、「子供の脳みそが未発達」という考え方のせいで、「子どもがとても努力をして言葉を身につけた」と言う視点がかき消されていないだろうか。

だから、大人だろうが、子供だろうが、言葉を習得するには、とてつも無い鍛錬が必要になるということだ。

【6】英語学習は筋トレと同じ

英語学習は筋トレと同じである。日本語を話す口の筋肉と、英語を話す口の筋肉は全く異なるため、英語の発音を習得するためには、日本語の口の筋肉を捨てて、英語用の筋肉を鍛える必要がある。この理論は、私なりの独自理論である。

筋トレと同じように、適切な音で、英語の発音練習も繰り返し行うことで、徐々に英語用の筋肉が鍛えられ、英語の発音が向上する。また、英語で会話する際にも、脳内で日本語を英語に翻訳する手間がなくなり、よりスムーズに会話できるようになる。

さらに、英語の発音練習を続けると、口や顎が筋肉痛になる。また、夢の中で英語を話すようになることもある。これは、英語が日常生活に浸透し、脳と口が英語に慣れてきた証拠である。この時に、発音記号を意識せずに音読を続けても筋肉痛にはならない。英語の適切な発音を目掛けて発音し続けることで初めて、日本語と異なる口の筋肉が動き、普段使わない部分の筋肉や関節が痛くなる。「筋肉痛」が、一つのバロメーターとなる。

【7】DUO音読による英語上達法

私は、この英単語帳で音読をすることで英語を鍛え続けてきた。この単語帳は、例文が560個ほど載っており、その音源が付属しているのが特徴である。音源はYouTubeで公開されているため、購入する必要はない。

私は2015年のアメリカ留学の後半、ただ単に語学学校に通うだけの日々だけでは、私のイメージする「会話」に重点を置いた英語力には到達しないかもしれないと思い始めてから、毎日この音源を元に音読する練習を始めた。その時に使用した教材が、本書「DUO 3.0」である。当時アメリカにいた時に、大学受験でで使用したDUO3.0本書を思い出し、アメリカに取り寄せて勉強を始めた。

最初は、「発音記号」から理解し、その上で、DUOに記載されている文章を、正確に、音源と全く同じように音読する練習を行なった。たった1文を音読する20分以上かかったこともある。そのせいで、次の日、口が筋肉痛にもなった。

日本語訳は読んでも、細かく説明や文法は見なかった。どうせ忘れるからだ。一回の音読に対して、「覚えよう」とも全く意識しなかった。ただ、ひたすら「正確な音源を元に音読」をずっと、すっと永遠続けることだ。これは、「修行」に近い。

音読する際には、その文章が現実世界のどんなシーンで使うかなと想像しながら、ひたすら音を真似る練習を重ねた。無心に。忘れてもいいやと思い、とにかく口の筋トレをする如く、発音を気にして、文章を真似する。

人間の脳は基本アホだから、自分でイメージして思い込みつづければ騙されてくる。音読する際に、その文章が自分の生活のこの辺に活かされそうだなと想像し続ければ、脳みそが騙されてくる。すると、本当に似たようなシーンにふと直面した際に、過去にもあったかのように錯覚する。

すると、DUOでイメージした事と似た様な体験をした時に、何故か部分的にその英語の言葉が不意に出たりする。信じられないかもしれないが、覚えようとしていないのに、何故かその場で出てくる。そして、口が勝手に動く。

このように、DUO音読は、単語や文法の知識を詰め込むのではなく、英語を実際に使うための「感覚」を身につけるのに効果的である。決して、テストで点をとりに行く為の練習では無い。

DUO修行の効果としては、具体的には、以下の3つのメリットがある。これは、YouTubeで他の先人達の意見や、私の体験を加味して、私なりにまとめてみたもの。私が英語マスターになった訳ではないが、共感できる部分があるので残しておく。

  1. 発音を正確に身につけることができる。音源を元に音読することで、ネイティブの発音を正確に身につけることができる。

  2. 英語を自然に使うための感覚を身につけることができる。文章を、その情景をイメージしながら音読することで、英語を自然に使うための感覚を身につけることができる。

  3. 文字には現れない英語特有の話し方に気がつく。継続すると、言葉と言葉の区切り方、息継ぎの場所、実は発音しない音、文字と実際の音が違う、など、色々なことに気がつき始める。すると、話し方の流れ方全体を総合的に、感覚的に習得出来るようになる。

私は、そこまで流暢に話せる訳でもなく、完璧にマスターしていないが、アメリカにいた2015年当時、中々会話が上達しなかった私が、急激に会話が出来る実感を得たのがこの方法だったことから、今でも、この「DUO修行」に全幅の信頼を置いている。

【8】英語の発音練習の辛さ

2016年にアメリカから日本に帰国後も、私は通勤の一時間を利用して英語の発音練習を続けた。満員電車の中で一人で発音の練習をしていると、不審者扱いされる恐れがあるため、小声で行った。さらにマスクを付けて口を動かす練習も行った。

英語の発音は、日本語の発音とは異なる筋肉を使うため、継続的な練習が必要である。日本語の筋肉で英語を話そうとしても、実際の発音は難しい。英語用の口の筋肉を鍛えるために、私は何度も練習を重ねた。

しかし、筋トレと同じように、英語の発音も筋肉が出来ないうちは、少しでもサボるとすぐに元の日本語の筋肉に戻ってしまう。これが非常に辛かった。ただ、筋トレをサボると筋肉が退化するのと同様に、「DUO修行」、要は、「音読による口の筋トレ」を怠れば、口が動かなくなると考えれば、理にかなった考え方と言える。

【9】もう一度、「修行」し直す

あの時の辛い「修行」をもう一度再開する。自分の英語をもう一度レベルアップするために。そして、2024年に、15年ぶりにTOEICも受けてみようと思う。2024年01月01日から始まった「再修行」。何とか挫折しないで続けたいものだ。これは、本当に「忍耐」が必要とされる「苦行」と言っても過言ではない。この筋トレにより、数ヶ月後、もう一段階上のレベルに到達したい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?