ブランディング目的でSNS運用するなら

この記事は、「SNS運用のKPIどうすればいいのか」というよくあるご質問に対しての私のスタンスと見解を記したものです。

SNSアカウント運用のKPIは大企業であっても意外と曖昧な企業が少なくありません。

私の知る限りだけでも、数億円規模でSNSアカウント運用に投資しているにもかかわらずKPIが明確でない、もしくは決めているけれどもそれが妥当かわからないというケースが散見されます。特に、ブランディングや認知を成果指標としているクライアントは多くの場合KPIでお悩みのことが多いです。その原因はいくつか考えられるのですが、実際に見聞きしたあるあるをベースに解説します。

第一に、「計測しない」というパターンがあります。
よく言われる「出た感」がほしいという表現。担当者が満足するための施策であれば出た感があったかなかったかで判断できるかもしれませんが、この場合社内報告のしようがありません。
効果の目安がないのに施策を打っていると、特にアカウント運用のように継続した取り組みが必要なものに関しては「これって意味あるんだっけ?」と予算取りのタイミングで毎回答えのない自問自答を繰り返すことになります。

第二に、「計測しているがその指標を信じ抜くことができていない」パターンです。
いいね!やクリックの数をベースにしている場合が、代表的なパターンです。「最近投稿へのいいね増えてるし、ブランドに対して好意的な方が増えていると思います」などの報告をするものの、それが本当にブランドリフトの成果を表しているかと突っ込まれると言葉に詰まります。

たとえば、ブランドリフトしなくてもいいね!が増えることだって大いにありえるのです。極論、昨今一部の偽インフルエンサーがやっているように、いいね!を買うことだってできますし、そのSNS内でいいね!を気軽に押せるようなUXの改善があったのかもしれません。
よって、いいね!の多さでブランドリフトを証明しようとするとその指標を信じ抜くことができず、悩みが尽きないのです。

私がSNSアカウントでKPIを定めるなら、ユーザーからの評価をKPIにするのが一番だと考えています。
ほとんどのSNSアカウントには無料のアンケート機能がついています。ブランディングを目指すのであれば、定期的にSNSでつながっているファンが自社をどう思っているのか、聞いてみてください。
その際、アンケートの評価のみならず、回答数や回答率をKPIとしておくことをおすすめします。

また、よりアカウントをドライブさせるのであれば、リサーチ会社や口コミ分析ツールなどを利用することも選択肢として考えておきましょう。