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おもむろにマウスの改造をするよ!!

近年自作キーボード界隈が大変盛り上がっており、DIYキットも含め色々な種類のキーボードが登場しています。主役はやはり、メカニカルキーボード。赤軸、青軸などのCherryMXに対応したスイッチ式のキーボードですね。ゲーミングデバイスとしてこだわりのあるユーザーが非常に多い印象です。またつるしの製品を買うだけでなく、スイッチ、キーキャップなど自分の好みのものに交換する改造も盛んかと思います。ですが、入力デバイスもう一方の雄、マウスについてどうかというと、あまり盛んな印象はありません。もちろんゲーミングマウスというジャンルはありますし、キーボードと同じくらい操作デバイスとして重要視されてはいると思いますが、自作あるいは改造となるとトンと話を聞かなくなります。今回はマウスの改造ってけっこう簡単です、というご紹介。はんだ付けはいるけどね!


そもそもマウスの改造って何すんの?

というわけで今回は日常的に使っているKensington「Orbit Trackball with Scroll Ring」のスイッチを交換してみたいと思います。マウスの改造と書きましたがトラックボールですね。細けぇことはいいんだよ!
製品自体は気に入って使っているのですが、左クリックの反応が若干悪くなったことと、前々からクリックの安っぽくかん高い音が好きではなかったので今回は「マイクロスイッチ」という部品を交換します。この部品はクリックのオンオフを検知する部品ですが、既存のものからkailh(カイル)の「静音マイクロスイッチ」に交換したいと思います。いわゆる静音化改造ですね。なお気になる費用ですが、部品だけで言えば数百円、後述する工具などをイチから揃えても数千円程度で実行可能です。

マウス改造の難しいところ

マウス改造の難しいところは、いわゆる「現物合わせ」でやる必要があることです。ガワを開けて実際に基盤を目にして、可否の判断をすることになります。開けてみて長さや高さを測ったり、多少削れば、あるいは足せば行けるのかなどなど……。ただしマイクロスイッチに限って言えば、だいたい使われているパーツは規格品であることが多いため、載せ替えは容易だったりします。今回の例でもただ部品を取り外し、新しいものではんだ付けしなおしただけです。

私はとりあえず製品を開けてみて……と行き当たりばったりでやることも多いですが、予め検索かけて下調べするのがよろしいかと思います。既に同じようなことを実践してる人が居たりします。で、今回改造した製品も先人が居りました。

YouTubeに動画が公開されている場合もあります。動画だとより手順がわかり易いですね。ラッキーです。
検索ワードとしては製品名や型番と「分解」「修理」「teardown」あたりの組み合わせでヒットすると思います。今回でいえば、「Kensington orbit 分解」とか「K72337 teardown」みたいな感じですね。

必要な工具・あると便利な道具

  • 必須な道具
    トルクスドライバー
    はんだこて
    ハンダ吸い取り器 or 線
    PC(テスト用)

  • あると便利な道具
    作業マット
    磁石付きケース

    トルクスドライバーは「*」みたいな形のネジ穴用のドライバーです。頑張ればマイナスドライバーでも回せると思いますが、このトラックボールに使われているのは、すべてトルクスネジのため、トルクスドライバーを用意したほうが良いと思います。1000円くらいのもので良いと思います。もちろん改造対象のマウスが普通のネジであれば要りません。
    はんだこてはご存じかと思いますので割愛。はんだ吸い取り器 or はんだ吸い取り線はその名の通り、はんだを除去するための道具となります。これを使い、既存のマイクロスイッチをのはんだ付けをはがします。個人的には吸い取り器のほうが扱いやすいと思います。

    参考までに私が実際に使っているものを下記に紹介しておきます。
    Kingsdun 精密ドライバーセット 31 in 1
    Alfawise はんだごてセット

    作業マットはあると便利です。作業に伴ってテーブルに傷を付けたり、焼いたりします。必ずしも専用品でなくても良いですが、最低限、段ボールを敷いたりしましょう。またネジが必ず神隠しに合いますので磁石が仕込んであるケースなどを使って失くさないようにしましょう。私はマグネットが仕込まれている専用のマットを使用していていますが、下記のような百円均一商品で代用できると思います。


いざ改造

今回のターゲットであるKensington(ケンジントン)「Orbit Trackball with Scroll Ring」

何はともあれ底面5箇所のトルクスネジを外して基盤にアクセスしましょう。なおこの時点で先人のブログは見つけておらず、どこをどうすれば開くのか、というのも手探りで進めています。つまり見えてる4箇所を外したけど開かないので、探した結果ゴムの裏にもネジがあった、というような流れをたどっています。

露出している4箇所と……
手前側のゴムを剥がすとでてくる隠しネジの1箇所を外す

ガワを開けると基盤が出てきます。既に交換済みの写真で申し訳ないですが、赤いボタンのパーツがマイクロスイッチとなります(元の部品は黒いパーツ)。トラックボールの玉受け中の3箇所、底部ガワと基盤を止める4箇所のネジを外し、さらにUSBと繋がっている白い端子を外すとようやっと基盤を取り外すことができます。

既に静音スイッチに換装されたOrbit。作業中に逐一写真を撮る行為、人類には難しすぎる。

これで基盤が独立しました。あとはマイクロスイッチを外して、新しいマイクロスイッチに載せ替えるだけ……なのですが、外すのに難儀しました。はんだがうまく融けなかったのか、スイッチが抜けず、結局既存スイッチの端子をねじ切るかたちになってしまいました。既存のものを使う予定はなかったので今回は問題ないのですが、再利用を考えている場合は注意して取り外しましょう。

載せ替え後に基盤を裏から写した。換装したところのホールだけ汚い。

載せ替え後、USBケーブルを差して早速テスト。マイクロスイッチを直接押し、反応があるか確かめます。反応がない場合のだいたいは、はんだ付けをやり直せば直ります。問題なければ、分解時の手順を逆にして組み立てれば完成。

というわけで、マウスのマイクロスイッチ換装についてご紹介しました。画像からも分かるかと思いますが、マウスはかなり簡素な構造をしています。考えてみれば、スイッチ部に関しては、押したか押してないかを検知するだけなので、そりゃ簡単です。
キーボードの自作・改造に比べても交換する部品点数が少ないでしょうし、アーケードコントローラーのボタン換装なんかをやったことのある人であれば余裕のレベルです。始めに申し上げた通り、マウスの改造は簡単なのでボタン気に食わねぇ~~と思っている方はぜひ一考の価値ありです。では。

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