約束を守るということ。

ボクが会社を辞めた月に、人生において大切な存在になった2人も会社を辞めた。人生のスパイスになったような、そんな人たちだ。その内の1人が日本に中毒的にやってきていて、そのままワーキングホリデーで働いていた台湾人だった。奇しくも年齢も一緒で。タイミングがあえば、飲みに行ったり、ご飯に行ったり。なんでも話し合える仲だ。


彼女は、稀に見るあたたかい抱擁力がある人だ。日本に滞在中に犬に腕を噛まれたりと、ちょっとマヌケなのだけど、彼女がいるだけで場が和む、慈愛でできているような、そんな人だ。


彼女はワーキングビザが取れずに帰国することになったのだが、彼女の送別会をした日に6名ほど飲んでいた際に、「台湾に帰ったら、お好み焼き屋さんやりなよ」なんていう話を冗談っぽく話して盛り上がった。

その数週間後、ボクは、成田空港にいた。Amazonで買ったアイリスオーヤマのホットプレートと近所のスーパーでお好み焼きソース、キューピーマヨネーズなどを抱えて。

彼女と一緒に台湾でお好み焼きを焼くことにしたのだ。

そのことを告知するとたくさんの人が集まってくれた。留学をしている日本人も、過去に一緒に働いた台湾人留学生もこの日のイベントに駆けつけてくれた。

些細な約束でも守ること、そんな小さな頃に覚えたことを大人になってから疎かにしていないだろうか。時間の無駄だと思っていないだろうか。小さな約束を失敗してもいいから果たしていく、その先に新しい何かが見えるような気がしている。

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