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景色が見える昼に、ゆっくりとした乗り物で移動してみる。

「新潟に行く」学生時代から約束していたことを果たすという理由をつけて、新潟まで来た。学生時代なら確実に青春18きっぷか、夜行バス、もしくはヒッチハイクなのだろうけど、お金を少々持っているからか、何も考えず、予定通りに何の気なしに新幹線に乗った。

新幹線ときは2階建ての車両で、乗り物好きの男の子なら興奮しちゃう作り。乗客も物珍しさからか、ほとんどが2階に向かう。

新幹線に乗っていると埼玉を出てからすぐに景色がほとんど車窓から見えないことに気づく。これは秋田に行くときもそうだったが、太平洋側から日本海側に抜けようとすると山々に貫通させたトンネルを通る為、なかなか景色が見えない。よってインターネットも使えない。

そんなとき、何故だか分からないのだけどインドのバラナシでおじさんのバックパッカーに言われた言葉を思い出した。インドを旅していたときボクは、まだ20歳だった。

「まだ若いんだろ?そんなに急いでどうするんだ?時間がかかっても、宿泊代がかかってもいいから、景色が見える昼に、ゆっくりとした乗り物で移動してみろ。そこから日常生活が垣間見れるときがある。」

高崎を過ぎたあたりだっただろうか「どこか手前の駅で降りよう。」

そう思って、長岡駅で降りてみた。


司馬遼太郎の峠で好きになった河井継之助やパプアニューギニアのラバウルで彼が最後に潜んでいたという司令基地に行った山本五十六の資料館があったので、そこへ行った。

河井継之助の「面白いだけのことで本を読むのであれば、いっそ本を読まずに芝居か寄席へでも往くがよい」という格言と山本五十六の「苦しいこともあるだろう。云い度いこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。泣き度いこともあるだろう。これらをじつとこらえてゆくのが男の修行である。」という言葉が胸を打った。おじさん多いな、と思った。

建築家の隈研吾さんが建築設計したとされるアオーレ長岡という公営の施設などもあった。アモーレ長友か、と思った。NGT48という新潟版AKBのイベントもやっていた。ゴールデンなウィークにしては人が少ない。シャッターが閉まった個店もたくさんあった。

ケンミンショーという番組でご当地B級グルメのご飯ものシリーズで1位になった「洋風カツ丼」を提供するナカタレストランでランチ。こんなに長岡に人いたんだ、と思うほどの行列。この地方に行くと謎にカツ丼を推してくる日本の風習が、実に意味不明だな、と改めて思った。山梨でも、長野でも、福井でも、福島でも、熊本でも、そしてここ新潟県長岡でもカツ丼を推している。日本のご当地グルメで総選挙をしたら確実にカツ丼がセンターを取る、と思った。

洋風カツ丼 720円

味は、、、。見た目も何かの配合を間違えたような色合い。ランチを取ったら、新幹線でなく、鈍行で新潟へ向かう

1時間に1本しか電車がなかったので駅までは急いだが、19駅、急ぐのはやめてのんびり行こう。今日も新潟には、のどかな田園風景が広がっている。


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