今回扱うGPTsはコチラ。
小説やプロットの矛盾を見つけるGPTs
物語について尋ねると、古典や現代文学を踏まえながら語ってくれるGPTs
ストーリーアナリティクス作成時のログ
まず、どんなことができるGPTsなの?
案ずるより見るが易し。
どう考えてもおかしいだろ!な点を指摘してくれます。
この場合だと人質の位置ですね。テレポートが起きていることを指摘します。
書いてるうちは案外気づかないけど、読者からしてみればツッコミどころはありがち。位置関係とか、案外忘れがち。
このGPTは物語中の矛盾を教えてくれます。
キャラクターの嘘やギャップがあったときは、矛盾としません。物語全体の一貫性だけを重視します。
ちなみに鬼才・芥川龍之介作「蜘蛛の糸」を入れるとこの通り。
ちゃーんとこの物語は問題ないねって分析してくれます。
「道徳的な教訓を持つ物語です」ってわざわざ言うあたり、これ蜘蛛の糸じゃんって察している気がしなくもないですが。
作成時の入力内容
作成時のログ全文を公開します。
初心者のときに作成したので参考にはなりませんが、このくらい簡単な応答でもGPTsが出来るんだなということが伝われば幸い。
(すでにGPTsを試したことある人はここを飛ばして、文学愛好家さんの段から読むことをお勧めします)
ここでエラーが発生したため仕切り直し。
リスタート、の前にプレビューにて動作を確認。
キャラクターの行動にも口出しをしているため、調整します。
完成したInstructions
※Instructionsの整理は都度行っています。
Role and Goal: 「ストーリーアナリティクス」は物語の論理的な一貫性を分析し、特に大きな矛盾点に焦点を当てます。小さな矛盾は無視し、大きな矛盾がなければ、問題ないと回答します。
Constraints: キャラクターの一貫性に関連する矛盾や、小さな矛盾は分析しないようにします。物語の背景や動機、描写の詳細は考慮せず、提供された情報のみに基づいて分析します。
Guidelines: 物語に含まれる大きな矛盾点をランク付けし、最も重要な矛盾点について簡潔に説明します。分析は専門的かつ詳細に行います。
Clarification: 物語が曖昧または特定の詳細が欠けている場合、正確な分析のためにユーザーに確認を取ります。
Personalization: 簡潔な解説を重視し、分析結果をわかりやすく伝えます。
このぐらい簡潔な内容でもちゃんと動くんですね~。
ただし、先述した通りInstructionsの整理は手動でも行っています。
そのあたりについては文学愛好家さんのケースにてご説明しますね。
文学愛好家さんの四苦八苦
文学好きの考察中毒勢レディが感想を返してくれるGPTsも作成しました。
ちなみに、物語を直接入れてもちゃんと反応します。
……けれど最初は、なかなか思うような回答が得られず四苦八苦。
「物語を読み解くにあたって、古典や現代文学から引用してください」という指示をしたものの、一向に引用してくれませんでした。
作成方法はストーリーアナリティクスとほぼ同じだったのですが、口調が変わっただけで、普段のChatGPTと大差なし。
そこでふと思う所があり、
と指示してみました。
ちゃんと古典から語ってくれましたね!
ここから微調整して今の形になります。
コツ1・考え方をちゃんと示す
指示を変更して、「古典や現代文学から引用してください」を「古典や現代文学から参照して読解を行ってください」と言い換えることで、GPTの考え方に組み込むことに成功しました。
「引用してください」ではGPTの自己判断に任せることになってしまい、効果の薄いプロンプトになっていたようです。
僅かな差ではありますが、「GPTには自主性はない」ということは念頭に入れたほうがいいかもしれません。
同様の文章であっても、具体的にどのように引用するかを指定していれば、問題なく動いたと思われます。
どのような回答の仕方を求めるかは、明確にしておきましょう。
コツ2・出力例を挙げる
フォーマットを固定することで、安定した出力を得ることができます。
今回で言うならば、セリフ例として上げた「この物語は、時の流れという永遠のテーマに触れつつ、愛と喪失の美しさを描いているの。これは、フローベルの「泥に混じる愛」にも見られるテーマだわ」ですね。
今回のようなセリフ例を渡すだけでなく、例えば正規表現だったり、プログラミングでも、入力データと出力データを渡すだけで、意図した挙動に近づきやすくなります。
ちょっと脱線しましたが、大事なことなので。
コツ3・微妙な違いによる変化に気を付ける
さて、先ほど「この物語は、時の流れという永遠のテーマに触れつつ~」というセリフ例をInstructionsに入れましたが、「物語が入力されないとキャラ崩壊する」という謎の現象に見舞われました。
なぜか「~ですわ!」ってお嬢様口調になるんですよね……。ChatGPTの文学愛好家のイメージどうなっとんの?
何をやっても直らず、まさかと思って、
修正前:この物語は、時の流れという永遠の~
修正後:この文章は、時の流れという永遠の~
としたところ見事に収まりました。ええ~!?
根幹となる重要な部分は、微妙な差も挙動に影響します。
トラブルの原因にならないようしっかり確認しましょう。
思うように動かないときは、指示やInstructionsに問題があります。何か見落としていないかチェックしていきましょう。
実はいまでも稀にキャラ崩壊します。
【注意】Instructionsは都度保存しよう!
GPT Builderは、人間から受けた指示を受けてCustom instructionに指示書を作っていくのですが、必要な文章が勝手に消されることがあります。
この指示をしたとき、「この物語は、時の流れという~」という先ほどのセリフ例が消滅しました。
応答を繰り返しているとGPT側でプロンプトをまとめ直すようですが、必要なものまで削除してしまうようです。
Custom instructionはテキストボックスになっているので直接修正できます。
メモ帳にコピーしつつ、大事なプロンプトが消えたら戻しておきましょう。
また、まれに簡体字が混ざったり、文字の切れ端が入ったりします。残すと回答の精度に関わるので要注意!
最後に:おすすめGPTs紹介
MyGPTs、おもしれ~! 今回はお試しも兼ねているので中身も簡潔ですが、アクションやAPIも使えるので凝ったものも作れます。
GPTsの紹介記事がnoteに結構上がってるので、お手伝いさんが欲しい人は探してみてね。
""で挟んだ日本語の文章を修正するGPTs。このGPTsの偉いところは、文脈を維持してくれるところ!
文章修正をGPTに依頼するとざっくり書き換えられてしまうことが稀によくあります。細かいニュアンスを維持したまま冗長な文章を訂正してほしいときにピッタリ!
CiNii Booksから大学図書館の本を探してくれる司書さんGPTs。
ためしにマイナーな著者や無茶ぶりをしてみましたが、全然耐えられました。すごーい!
「ハレとケのいい本ない?」とだけ聞いても、ちゃんと民俗学の関連書籍を引っ張ってくれます。
もしよかったらウチのも遊んでやってくださいね。
(急に使えなくなるかもしれないけど許してね)
おわり!
おまけ 文学愛好家さんとおしゃべり
面白いかな……。