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#5 歯が黒い!虫歯? 〜歯医者の歩き方〜

「虫歯あるから削っておきますね~」

痛みもなかったけど・・・。
ちょっと見せてもらったら黒かったし、早く削ってもらってよかった~。

なんて言われるまま歯を削られていませんか?
その歯、削らないでよかったかもしれません。


銀の詰め物が取れて歯医者へ駆け込んだら、
中が虫歯になってますね削りましょう!
あるいは
この詰め物は古いのでやり替えた方がよい、外しましょう、
ほら、中が虫歯になってますね削りましょう!
といったパターンが多いのではないでしょうか。

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詰め物の下がこんな感じで黒くなっている場合、
1)詰め物をくっつけていたセメントが着色している
2)詰め物の金属が溶け出して着色している
3)虫歯
という可能性があります。

よし、じゃあ、黒いところを削ろう!

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待ってー!!!
そんな高速に削らないでー!!!

まあ、古いセメントやなんかを注意深く削ることはあるのですが、
問題は虫歯の部分。
除去すべきは軟化象牙質と言われる部分。
色はクリーム色か薄い茶色のことが多いです。通常は黒くありません。
スプーンエキスカという小さい耳かきのような器具で取れるような硬さです。硬さや性状を見ながら注意深く除去するのです。

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一方、真っ黒でスプーンエキスカでは掻き取れないぐらいの硬さになっている部分は、虫歯の進行が止まっているか、他の原因で着色しています。
健康上は除去する必要がないことが多いのです。
問題は色よりも硬さです。
黒い部分をよく削れるタービンでどんどん削ってしまうと
穴がどんどん大きくなって、深いので神経抜きまーす、なんて場合も。
(もちろん、症例にもよります。歯医者さんの説明を聞いてくださいね。)

とにかく色が黒いというだけで(硬さを考慮せず)、
削らなきゃ!と思いすぎなんじゃないかなあ。

歯医者も患者さんも。

そして何より、早く削って早く埋めるだけで
虫歯を予防したとか、虫歯が治ったとか思わないように。
虫歯の原因を探って、そこを治すことが必要です。


<イラストは歯科素材.com さんよりお借りしました>

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