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#7 古い詰め物はやりかえなければならない? 〜歯医者の歩き方〜

当院では歯科相談というメニューがあります。
相談自体に費用をいただき、当院での治療を前提とせず歯科に関する相談についてお答えするものです。
「この治療は本当に必要なのでしょうか?」という相談がよくあります。

Aさん『古い金属の詰め物を全部やりかえる必要があります。全てセラミックにして50万円です。』

Bさん『詰め物や被せ物の下は虫歯になっているかもしれないのでやり直しましょう。全部で200万円。』

なんて歯科医院で言われて、痛くもないのに?!
とびっくりしてセカンドオピニオンを求めて来られます。
しかも、上記内容は実例です。

で、意外と冊子になった素敵な説明資料をもらっていて、
口腔内写真やレントゲンにここ治療必要!と示しているのですが、
透過像らしいものはないし、口内で見ても隙間はないのになあ???
なんてこともしばしば。

ここで
誤解その1:金属は古くなったらやりかえなければならない

いえいえ、金属の素材そのものは劣悪なものを使われていなければそんな簡単には劣化しません。悪くなるのは金属と歯の間を埋めているセメントでこれが溶けたり割れたりで問題が出ることはあります。

だからと言って、古い=悪い、とはなりません。

すごーく適合が良くて、何十年も経っているけど何の問題もなく、やりかえるのはもったいないくらいのこともあります。

そして
誤解その2:高額な治療さえしたら、一生歯のことでは困らない。

50万円かけたら、200万円かけさえしたら、今後は歯のことでは困らない。・・・そうとは限らないですからね。

歯周病の治療もせずに、虫歯リスクもマネージメントせずに、詰め物や被せ物だけやりかえても・・・ねえ。
あるいは、一見きれいなセラミックだけど歯茎に隠れた部分が合ってない、なんてこともあったり。

50万円や200万円の治療を全否定するわけではありません。
歯周病をしっかり治して、メインテナンスと虫歯のリスクコントロールをして、顎の位置の調整をして、神経の再治療も高度で、詰め物や被せ物はぴったりで咬み合わせもばっちりで、という素晴らしい先生もいるとは思います。

そうではなくても、セラミックというだけで金額が出ちゃうんですよね。
そこはご注意を。

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