私は育休はとれるけど産休は取れないからと言っていた十四年前からの大きな前進

文字通り、産休は取れないと思っていた十四年前。なぜなら、私は男性だから子どもが産めないからだ。
物理的に“育休”は取得できても“産休”は取得できない。そう思っていたが、つい先日。改正育児・介護休業法が可決成立したそうな。すご。

簡単に中身を見ると、「過酷」な出産直後の育児を男性が「サポート」するようなもののようだ。ん?育休と何が違うのだ?

子どもが生まれてから8週間以内に、計4週間分の休みをとれるようだ。夫のみ利用でき、2回まで分けて取得できるのだそう。

ワンオペ育児と言われているほど、出産直後は環境が激変する。
睡眠時間は確実に少なくなる。
しかも、すぐに起こされる。おむつは替える。授乳はする。それがなくても起こされる。この睡眠不足が一番辛い。これは、本当に大変だと思う。

私が14年前に取得した育休は、夫婦で同時に取ることができなかった時代だ。私が育休中ということは、妻は労働をしているということ。
だが、その時息子はすでにおよそ1歳半。夜はまあまあ寝てくれるし、お昼寝もする。おむつはまだとれてなくて、トイレトレーニングの真っ最中。離乳食はとっくに卒業し、私と同じようなものを食べることができていた。
とても大変だったが、とてもやりがいがあり、とても楽しかった。何より、昨日できなかったことが突然今日できるというような、子どもの成長に立ち会えるのがとても幸せだった。
その頃は、ワンオペ育休しか選択肢がなかった時代だったが、「過酷」という表現はあてはまらなかった。

やはり、どう考えても生活が激変する出産直後が一番大変だと思う。「過酷」だ。
その時は妻が産休であったため、私は仕事をしながら子育てお手伝いをしていたことになるのだが、夜は疲れきって眠くて眠くて仕方なくて、本当にサポートができていたかは自信がない。
本当に大変なのだが、育児はそんなものではなかったのは本当に良い経験だ。
出産直後にこそ、苦労も喜びも一緒に分かち合うことが必要なのだ。

だから、男性版産休は、間違いなく『妻のサポート』が目的だろう。

ところが、世の中の男性の中には、「休暇=休める」と捉えてしまう人が少なからず存在しているようだ。ネットやSNSでしばしば見かける男性の姿。スマホばかり触っていて、育児の手伝いはおろか、自分のご飯まで作らせる始末だとか。だったら働きに行ってもらって、家にはいない方が良いなんて記事も見かける。
確かに大きな勘違いだ。

もしかしたら、“休暇”という呼び方がいけないのかもしれない。休みなんて字を使ってしまうので、休んでしまうのかも。
だって、実際には本当に休めないんだから。
子どもの世話ができなくても、奥さんのサポートはできる。

会社側から見てもそうだ。
休暇という言葉を使うと、あいつは休んでるってなる。
いやいや、休んではない。子育てをしているのだ。
そこは大きな勘違いである。(また、そういうことを言う人に限って、自分でたいした育児をしてこなかった人が多い。と思うのは私だけ??)
だからまず、休暇という言葉を変えよう!


オススメのマンガ『ミステリと言う勿れ』に描かれていて、大変共感を得た描写のひとつにゴミ捨てがある。
新婚の刑事が、「ゴミ捨てだって手伝ったのに……」という場面。
ゴミ捨てとは、玄関からゴミ捨て場まで袋に入ったゴミを運ぶことをいうのではないということ。
本当にそう感じたことを思いだした。
掃除機をかけて集めたゴミを捨てる、家中のゴミ箱のゴミを集める、分別をする、排水溝のゴミを集めついでにきれいにする、生ゴミを捨てる、などなど……。大きなゴミ袋に集めるだけでも、赤ちゃんがいるとままならない。
まず、掃除機をかけられない。せっかく寝たのに起こしてしまうかもしれないからだ。それに、姿が見えなくなると、なぜか泣き出す。だから、決して広くない家なのに、ゴミ箱を集めにも行けない。お風呂やトイレの掃除をすることもできない。
ついでに、ご飯を作るときも、火を使うので危ないから台所に来られないようにしたいのだが、姿が見えないと泣いてしまうので、本当に苦労した。

出生率の低下が問題になっている。
産後クライシスなんて言葉もある。
積極的に男性が子育てに参加する世の中になるようにできた法律が本当に機能するためには、まだまだ課題は多かろう。
人の理解には時間もかかろう。
女性の職場復帰が難しいなんて問題は、ずっと前から今も言われ続けているし。

でも、この法律の成立が大きな一歩となってほしいと心から思う。
それは、私は、本当に育休を取って良かったと心から思えているからだ。

世の管理職たちが、育休を取ったことのある人に早く変わってほしいな。
働き過ぎを改善し、時間の使い方を改善し。

一緒に苦労したら、世の中変わると思うんだけどなあ。

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