馬と接するということ

馬との接し方みたいな本は海外ではたくさん出てて、日本語版も結構あるんだけど、ざっと流し読んでもうーんなんだよな。マニュアル化出来ることではないと思う。その馬その馬によって接し方を変えていかないといけない。ひと付き合いも同じところあると思うし、ヒトとウマという垣根というか概念はなくさないといけないと思うんですね。今接してるこの子はなにが不満なのか、なにが楽しいのか、よく見て、こう接すればいいのか、を導き出す。人同士でも、この人はこれ地雷だからこの話題は避けようとかあるじゃないですか、あれ。理解しようと思う気持ちがない人が結構多い。同じ目線で一緒にやっていこうな、っていう気持ち。みんなもう、気性荒い子を目の当たりにするとひよっちゃって、インストラクターに馬装お願いしてハラハラで乗って、手入れもスタッフ。それでは馬との距離は縮まらない。最初に無口をつけにいくときに、怒ってたら、どうした?機嫌悪い?どっか痛い?ちょっと歩いてみせて?という気持ちで、攻撃されても一応耐えて、(若い馬で馴致途中だったりすると怒らなきゃいけない場面もある)馬に『私もあなたも対等ですよ』みたいな気持ちでいるようにしています。まぁ本来は対等じゃなくてこちら優位に立たないと乗っててワガママしたりするんですが、私の最愛の子は誰かからの愛情に飢えてる子だったので、半年くらい時間かけて、馬房掃除して、ブラシして裏掘りして…ってやってました。馬によってはベタベタされたくないクールな子もいるので、その子には塩対応みたいな感じで…
10歳越えたサラブレッドなら基本叩いたりはしないようにしてます。本人が噛むこととかを悪いことと知ってるはずなので…
ひどいスタッフと関わってしまった子は、虐待をうけた人間の子供と同じで、人が手を上に上げると威嚇してくるか怯えるかします。心の傷はとても深く残るので(とくに馬は記憶力に特化している生き物なので)だいぶ根気よくやっていくことが大事。
結局のところやはり、馬だから、と思わずに、同じ群の仲間みたいな気持ちで相手の気持ちを理解しようとすることが大事なんじゃないかなぁと思うのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?