見えないゴール
自分の無力さに涙ぐみながらクリームパンをもさもさと食べている。
人生22年目にして少しだけ自分の演奏ときちんと向き合うことにしたかもしれないこの夏、いろんな人の助けを得ながらゆっくりと前進している。つもりだった。
でも、進めば進むほど、知れば知るほど、前が見えなくなってゆく。
明日、明後日と自分のための録音の予定をいれている。留学が延期になって、自粛期間を経て、なんらかの目標が必要だったからにすぎないのだけど、ラストスパートという名の焦りで、メンタルがお亡くなりになりそう。
モーツァルトの音、バッハの構成、パガニーニの技術を追い求めても、完璧に弾ける日は来ない。自分がある程度納得しても、聴いてもらう人々全ての期待・想像・理想に寄り添える日は来ない。
一生これをできる気がしない、と音楽の道を歩くのをやめた弟の決断は賢明だったのだと思う。
私は、5年後、10年後、まだモーツァルトの音、バッハの構成、パガニーニの技術を極めている道中なのだろうか。
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