ぐるナイの1コーナーが琴線に触れた話

先日のぐるナイ ナイナイ30周年SP。

その1コーナー、ファイヤーふんどし。ナイナイ+国分太一を見た瞬間に記憶の蓋がばっと開いてエモーショナルが弾けたので忘れないうちにここに記しておこうと思う。


私のお笑い感を形成したのはおそらく初期ぐるナイだ。

小学生の頃、習い事のプールから帰ってアイス食べながらぼんやりぐるナイを見るのがルーティーンだった。逆回転マンとかめちゃくちゃゲラゲラ笑って見てた。なんだかんだあって社会人以前の記憶は朧も朧なのだが、そのあたりはなんとなく覚えている。

少し時は流れ、中3でバッキバキにTOKIOにハマり、国分太一目当てでぐるナイ視聴を再開。当時はナイナイ+太一+出川さんがレギュラーでしたね。ゴチも当然ありました。めちゃイケもその頃だったけど何故かそこまでハマらなかった。

その頃のジャニーズと言えばキラッキラのキラッキラ。所詮アイドルとお笑い好きに鼻で笑われ、音楽好きにも鼻で笑われていた。中高生ならそろそろジャニーズファンなんか卒業した方がいいんじゃない?みたいな変な同調圧力やら偏見やらがぐつぐつ煮えたぎっていたそんな社会の中。

ビジュアル大変よろし(もちろんジャニーズですし)で当時天使級に可愛かった国分太一が(出川さんに「頑張れば抱ける」とか言われてた)所謂芸人の汚れ仕事を揚々とこなす様、その男気に「なんだこの人は。ジャニーズじゃねえ!」と感服したのを覚えている。

今でこそジャニーズが芸人同様に体を張る仕事・汚れ仕事も多く見るようになったが、その先駆けは太一であったと私は思っている(たのきんトリオとかの時代までいくとよくわかりません、すいません)。当時は衝撃だったのだ。キラキラのアイドルが汚れ仕事に身を落とす様が。SMAPもコント方面に全力で振っていたしジャニーズのキラキラ概念を打ち壊しにいっていたがまだ華があった。まさか公開大腸カメラで痔持ちを晒すとこまではいってないはず…。

そんなナイナイ育ち人力舎芸人国分太一と、ナイナイ、出川さんのぐるナイがとてつもなく好きだった。偉大なるマンネリ化したゴチも毎回見ていたが、企画ものがとにかく楽しみだった。ケーキ爆破だったり、温泉クイズでマッチョさんに雪中に放り投げられたり、天井爆破に巻き込まれたり、鼻から干瓢出したり。豪邸かくれんぼでワイン盗み飲んだり、ほぼほぼ全裸で駆け回ったり。クワガタ狩りでファイバースコープ太一とか言われて虫のいる穴に突撃したり(今でこそ後輩に虫触れよとか偉そうに言っているが、クワガタ企画始まった頃の太一は軟弱のビビリであった)。ナイナイという平成中期の寵児と中堅芸人出川さん、若手芸人太一の成長物語を私はワクワクしながら見ていたのだと思う。折しも鉄腕DASHやガチンコなども相まって、TOKIOはジャニーズながらジャニーズぽくない、バラエティー演者として面白いという世間からの評価を得ていくこととなる。

大人になるにつれ、自分の価値観の醸成と共に、お笑いさんの番組が肌に合わなくなってきた。単純に身体張って、ミスったら罰ゲームバーンってだけで終わったり、プライベートまでを根掘り葉掘り曝け出してその様を馬鹿にして嗤うという流れがどうも受け付けなくなった。次第にお笑い系全体を敬遠するようになり、お笑いさんにも全く興味を失っていったが、太一出演回のぐるナイだけは見ていた。その頃には偉大なるマンネリゴチだけで企画ものはなくなっていたけれど。オードリー春日さんの暮らしを体験する、が最後だったんじゃないか?

そんな感じでつい最近までお笑いに興味を持てずに来たが、コロナ自粛期間中にある芸人さんと巡り合ったことで世界がぐるりと180度変わった。その話はここでは割愛するが、私はそもそもの性質がオタクである。調べまくって第7世代周辺もある程度名前がわかるほどまでになった。同時に敬遠していた頃と大分お笑い界の様相も変わったのだと知った。ぺこぱに代表される誰も傷付けない笑いが好きだし、価値観のアップデートを先輩芸人に促すような若手も出てきている。今多く司会に立つ人も、中堅以上芸人の中でも穏やかなイメージの方が好まれている気がする。


さて、長すぎる前置きをようやく終えて、あのぐるナイのあの1コーナーの何が琴線に触れたか、である。

国分太一という、長年ナイナイと共に戦場を駆け抜けてきた戦友であり岡村さんの親友が見届け人としてあったこと。

その司会っぷりが見事に昭和だったこと。

ナイナイという大御所芸人に片足突っ込んでるような人たちが全力で身体を張る昭和〜平成の企画に挑むこと。

そこに挑むのが第7世代の筆頭・霜降り明星と令和の寵児・ぺこぱであること。

安全対策がしっかりと伝えられるコンプライアンス遵守。

見事な昭和〜令和のコントラスト感。裏テーマ、次世代への継承。それがあの数分間に詰まっていた。

ぐるナイは平成中期〜後期当時のお笑い番組の中ではライトな方だったと思うのだ。だからこそ私は好きだったのだけど、それこそめちゃイケみたいな跳ねもなかった(主観)。じわじわと長く続け、ゴチだけじゃなくおもしろ荘の若手発掘力も評価されたりしながらここまでずっとやってきて、時代がまた追いついたんじゃないかと思う。それは長寿番組だからこそ。

最後のケーキ爆破も含め、昨今の何かとうるさいご時世では決行することに覚悟もあっただろう。それでもやりきったのだから矜持を感じる。

古臭い企画に見えたが底力を確かに感じ取ってエモさでいっぱいになった。


ここまで心を揺さぶられたのは久々だった。見終えて数日、未だに心の中で何度も反芻している。

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