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ゴールのないマラソン

こんばんは!
ゆりです。

今回のテーマは「地方創生」についてですが、
正直に今まで生きてきた中で、耳にしたことのない言葉でした。

「地方創生」とは東京や関西圏などの首都圏への流入することを是正し、地方を活性化することだが・・・

初めて意味を知ったときは、「分かったような、分からないような」感覚でした。

結局、東京や都市圏へ行くことが悪いのか?
地方から人がいなくなるのがダメなのか?
そもそも、何を目的とした施策かがよく分かりませんでした。

なので今回は、地方創生の具体的な取り組みではなく、その「理念」について考えてみます。

“マラソンランナーの錯覚”

皆さんは「地方創生」について端的に答えられますか?

多くの自治体のアドバイザー等を務めている関東学院大学・牧瀬稔准教授(法学部地域創生学科)によると、現状、簡潔に「地方創生」について説明ができる人はあまりいないとのことです。
現に、地方創生についての言葉の認知度は80.8%に対し、そのうちの内容の認知度は35.7%で、大半の人はあまり意味をわかっていませんでした。

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(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局より引用)

これはなぜ課題になるかというと、地方創生の目的が不明確のまま取り組んで進めると、何も目的を果たすことができないからです。

牧瀬准教授は地方創生の意味をよく分からないまま取り組みを進むことは、ゴールが決まっていない状態でマラソンを開始することのようであると指摘します。

ランナー自身はよく分からずに走り続け、ゴールに近づいていると錯覚しますが、いつまで経ってもゴールに辿り着きません。

とりあえず走ることにより、それに対して自己満足が生まれてしまいます。

しかし、このレースは意味のないマラソンであることがわかります。なぜなら、この状態を一歩引いて客観的に見ると、シンプルに体力を消耗するだけで、生産性がないからです。

何事でもそうだと思いますが、ゴール地点を設定した上で、スタートダッシュを切らないと、結果的にマラソンランナーの錯覚になり、意味のないマラソンを走り続けてしまいます。

地方創生のゴールとは?

では地方創生というマラソンを走るためのゴールは何になるのでしょうか。

冒頭でざっくりと触れたように、
「地方創生」とは人口の減少に歯止めをかけると共に、東京一極集中を是正し、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策です。

主にまち(地域社会の形成)、ひと(人材)、しごと(就業の機会の創出)創生に関する施策を総合的且つ計画的に実施します。「しごと」と「ひと」の好循環をもたらし、それを支える「まち」の活性化を目指しています。

ここで、もう少し「地方創生」を詳しく分析するため、「まち・ひと・しごと創生本部」の英語表記を読み取って行きます。上記を英語表記にすると、「Headquarters for Overcoming Population Decline and Vitalizing Local Economy in Japan」となります。

「Headquarters」は本部
「Overcoming Population Decline」は「人口減少を克服する」
「Vitalizing Local Economy in Japan」は「日本の地域経済に生命を与えること」
と訳します。

つまり、この見解から地方創生のゴール地点は「人口減少を克服」し、「地域経済を活性化」するための取り組みと示すことができます。

このゴールは当たり前かのように聞こえますが、実際のところ自治体職員や地方議員に「地方創生の意味は何か」と投げかけると、極めて不明瞭な回答しか得られないことが多いと牧瀬稔准教授は指摘します。このように、実は理解しているようで、理解できていない概念です。

最後に

「地方創生」の理念を深掘りすることで、この課題はとても他人事ではないと感じました。

私は広島出身ですが、「地方創生」を通じてより地元愛が深まり、広島へ恩返ししたいと思いました。

地方の人間にとって、「地方創生」は一種の恩返しの場だと思います。

皆さんもこの機にふるさとへ恩返しを考えてみてはいかがですか?