感謝なく助力を要求する障がい者の心理分析

先日、活動家の伊是名夏子さんのツイートが炎上しました。
JRに乗車拒否をされたとメディアを呼んで喧伝しながら、事前予約がなかったことや傍若無人な振舞いが圧倒的な批判を呼び、
彼女の擁護者や彼女が常任理事を務める社民党も巻き込み、賛否が激しく争われました。

私が理解できなかったのは、タイトルの通りの障がい者の心情です。
・なぜ他人から業務外の労力が提供されて当たり前だと考えているのか
・なぜ自分は事前予約や調査等の労力を割きたがらず感謝も嫌がるのに、他人には上記を求めるのか

自分は事前予約や調査程度の労力も割きたくないし言葉や態度だけの感謝もしたくないのに、
他人には金のかかるバリアフリー化や詳細な案内、急でも無人駅でも構わず人の手配も当然にしてもらい、
お礼も協力も自分には求めずに重い電動車椅子に乗る自分を運んでもらえると思っているのか、心から理解ができませんでした。
しかし、フォロワーさんからのリプライが、私に大きなヒントをくれました。

「自分は悪くないから頭は下げない」
「不当に労力や金を支払わされている」
「感謝(すべき労力提供を受けた)ではなく、ペナルティー(を自分が課されている)に感じている」

これってつまり、鬼滅の刃で読んだ、
『取り立ててやる』
という一言に集約されるのではないかと考えましたので、このnoteを書くことにしました。

鬼滅が分からない人向けに要約します。

障がい者の不便が解消されていない時点で健常者は障がい者に借金をしているようなもの。
健常者が障がい者が健常者に手助けという労力を提供するのは債務の弁済にすぎない。
従って奪われているから取り立てる立場にある障がい者が健常者に感謝するのはおかしいと、
伊是名夏子さんや後述の川﨑良太さんは考えているのではないかと私は考えた。

※以下、『鬼滅の刃』遊郭編 ネタバレ注意。


映画の無限列車編を観て、煉獄さんの優れた精神性と自己犠牲の功罪を現代社会と接続して語る人は多く見かけましたが、
私は遊郭編を読んで、上限の陸たる妓夫太郎の貧困な精神性と他者を犠牲にする姿勢こそ、現代社会に未だいる鬼の姿だと思いました。

「取り立ててやる」
という言葉を選んだ吾峠呼世晴先生のセンスは素晴らしいと思います。
名前すら与えられず、虐げられて虫を食む環境に生まれ育ち、暴力を生業にするしかない妓夫太郎の信条として、これ以上の言葉はないでしょう。

『奪われる前に奪い、取り立てる』
『人にやられて嫌だったこと、苦しかったことは人にやり返して取り立てる』

これが妓夫太郎の考え方です。
どこかで見たような気がしませんか。
そして彼を鬼にしてしかも気に入っている無惨様も、自分よりはるかに弱いモブに病弱そうだと言われただけでキレて殺してます。

伊是名夏子さんや彼女を擁護する人たちは、妓夫太郎や無惨様と同じ考えを持っているのではないかと私は思いました。

自分は健康な身体を奪われている。自分に快適な暮らしを与えない健常者からは労力を取り立ててやる。

自分は車椅子で日常的に不便な思いをしている。駅員にも不便な思いをさせてやりたい。

自分よりアホで考えも足りないのに、健常者だというだけで障がい者より快適な生活をしているのが気に入らない。

『だから取り立ててやる』

『障がい者であるがゆえに快適な生活を奪われている私に、健常者であるというだけで呑気に生きてきた奴らが労力を払うのは当然だ』

『お前が健常者だというだけで、障がい者を尊重せず意識せずに生きることを許さない』


妓夫太郎や無惨様そのものではありませんか。
そう思えば、伊是名さんはただひたすらに哀れな存在に思えました。

伊是名夏子さんが弱者であることに、私は特に異論も疑いもありません。
彼女が裕福な家庭に育ち、進学や留学も叶え、結婚も出産もして、
あんな性格でも見捨てられない環境にいるのは相当に恵まれているとは思います。
ただ、どんなに病気や障害以外の属性や環境に恵まれていても、
健康な身体は手に入らないし、階段を軽々上れる足も生えてこないんですよね。
彼女にはなまじ能力や野心があり、障害があってなお活発に活動するような人だからこそ、健常者への嫉妬が強いんだと思います。

『自分は奪われている』と思うからこそ、
『他人が自分のために親切にしてくれた、労力を割いてくれた』ことに、
借りた金を返すのと同じで当たり前のことだよなあぁ
、と思ってらっしゃるんですよね。

正しく取り立てですね。
健常者は障がい者の快適さを犠牲にして生きているのだから、一時の親切や労力の支払いくらい当たり前だろうがこのボケ、という。
取り立てているのは自分なのに支払いに感謝しろとはどういうことだてめえと、まあ取り立て屋ならそりゃ思いますよね。

伊是名さんを擁護している川﨑良太さんの以下のツイートは、特に感謝を拒んでいて印象的でした。

障がい者ゆえの苦労は当然あったと思います。
自分が悪いわけでもないのに不便を強いられているのは健常者が不便の解消代を支払わないせいだ、健常者が障がい者に割く労力は債務の分割弁済にすぎない、という考えがよく透けて見えます。


正直、そういう方々とは共存できないと率直に言って思います。

健常者、特に高給取りでもない末端の労働者には障がい者に借金をした覚えなんてないのに、お前は借金してんだよ!取り立ててやる!私に金と労力を支払え!と言われて無給で至急のブラック労働を求められても困るってもんでしょう。
知らない間に連帯保証人にされてたレベルの理不尽です。

あなたはした覚えのない、保証人になった覚えもない借金を支払いますか?
と、伊是名さんや川﨑さんには聞いてみたいと思います。


以上。

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