言葉遊び
「ちょうどいい退屈」があるとしたら、多分それは今のことだと思う。
多幸感も絶望感もなく、明日食うには困らない。世界との摩擦が極端に少なくて、ベアリングみたいに滑らかに空転するような毎日。ニュースやSNSもどこか遠い世界の話で、ウクライナ戦争も誰かの恋バナも近似されてる。
ちょっぴり不満を言うとすれば、最近仲良くしてた女性とぱったり連絡しなくなってしまったこと位で、少し孤独感は増したかな。なんとなく寒いのが嫌になって火に寄っていってみたけど、気がついたら火傷していた。恒星に振り回される惑星ならば近づきすぎることもなかっただろうに。
足るを知った気になって、空腹なのに箸を置く。八分目が丁度いいと思い込んだって、目指すのはいつだって10合目だ。一升瓶に縋るほど狂えず、アメスピを吸ってはむせて泣く。
社会的時間から切り離されるとひどく世界は凪いでいて、時化が恋しくなる。
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