SoftbankとTigerがいまだに世界のスタートアップ投資でトップに立つ

かなり日が空いてしまいましたが、久しぶりにcrunchbase newsよりご紹介したいと思います。
元記事はこちら

スタートアップファンディングにとって波乱な一年となる中、一つ変わらないことがあります。もっともアクティブで巨額を投資するものは、長い間名を馳せて来た投資家だ。
2021年は、SoftBank Vision FundとTiger Globalがグローバルのグロースステージにおいて最大のリード投資家となりました。一方でYコンビネーターは、昨年642件のディールを行い、ライバルのテックスターズを差し置いて、最大件数を投資した多忙な投資家となっています。
昨年は世界のスタートアップに未曾有の額が投資されたことを鑑みると、トップ投資家となるのは簡単なことではありません。
2021年度に世界でベンチャーに投資された額は6430億ドルであり、2020年の3350億ドルと比較するとYoYで92パーセントも成長したことになります。

Bigger rounds, Bigger check writers

概して、資金調達の増加は、取引件数の増加というよりも、ラウンドサイズの拡大によるものです。1億ドル以上のラウンドはかつては珍しいものでしたが、今日では毎日のように行われています。
巨大ラウンドがいたるところで行われるようになったのは、投資家が定期的に巨大なチケットサイズを切るようになったためです。Crunchbaseの分析によると、50億ドル以上のラウンドをリード/コリードした投資家は少なくとも17社あることがわかりました。
以下がそのリストです。

Softbank Vision FundとTiger GlobalがNo.1, No.2の座を占めているのは驚くことではありません。これら2ファームは、我々の4半期レポートで常に最大ラウンドのファイナンスをリードしてきましたし、未だにその勢いは衰えていません。
Tigerの2021年における特筆すべきディールは、核融合エネルギーCommonwealth Fusionの18億ドルのシリーズBラウンドにおけるリード、クラウドセキュリティプロバイダーのaceworkの13億ドルのシリーズDラウンドにおけるコリード、イギリスのフィンテック企業Revolutの8億ドルのシリーズEラウンドのコリード(コリードはソフトバンク)などです。
Softbank Vision Fundの最大級となったラウンドは、インドのeコマース企業Flipkartの36億ドルのコリード、シニア向けヘルスケア企業のDevoted Healthの12億ドルのシリーズDラウンドにおけるコリード等です。SoftbankもTigerも共に北米、ヨーロッパ、アジアで積極的に投資を行っています。
ニューヨークに本社を置き、グローバルの公開・未公開企業へ投資を行うCoatueは、知名度こそ低いですが、新参者でないことは確かです。このファームは2021年のスタートアップ投資に非常に積極的であり、160社件以上に投資しました。2020年は58件でした。Coatueは昨年行ったディールの半分以上はリードを務めていました。

Most active early- and late-stage investors

アーリーとレイトステージのベンチャー投資家におけるランキングですが、通常の投資家も含まれています。2021年に30社以上に投資した投資家は下記です。

活動的投資家No.2にランクインしたInsight Partnersは2021年は特に勢いが増しており、投資サイズ・頻度共に実績をあげました。アーリーからレイトステージまで、2021年は164社のポートフォリオ企業を支援しており、2020年の78社から大きく増加しました。

主に米国のスタートアップに投資を行うAndreessen Horowitzも、活発な投資家として常に上位にランクインしています。2021年もその評価の通り、87社に投資しており、多くのシード案件にも投資しました。今月初めに90億ドルの新ファンドをクローズしており、このモメンタムは2022年まで続くように思われます。

Supercharged seed investors

2021年はシード投資家も多くの案件を実行しました。以下が最も活動的な投資家トップ20のランキングです。

有名なアクセラレーターYコンビネーターは633件のシード投資を実行しており、群を抜いています。そのラウンドの多くは100万ドル以下ですが、少なくとも30件は500億ドル以上となっています。

その次に位置するのはTechstarsで、381件のシード投資を2021年に行っています。投資の多くはUSに本社を置くスタートアップですが、グローバルでも活動しており、ヨーロッパ、アジア、アフリカでも相当数のディールを行っています。

Not quite business as usual

多くの活動的な投資家カテゴリーにおいて、いつもの面々がランキング上位を占めていることを強調してきましたが、資金調達市場に変化がないという印象は間違いです。
近年、典型的な投資家構成は大きく変化しています。レイターステージでは、ごロース投資家がより活動的になっており、ユニコーンを超えるバリュエーションを持つ企業の支援においては特にそうです。
また、ここしばらくは、かつてシリーズAにフォーカスしていたファンドがシードに移行したことで、シードにおけるファンドマネージャーの拡大がみられます。今日、シリーズAで最もアクティブな投資家は、ディープポケットをもつマルチステージに投資するVCで、グロースエクイから新規参入しているファームもいます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?