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職場でのコミュニケーションに悩む人へ。「一人でやろうと思ったらできないから」SHEmoneyのブランド責任者が大事にしている、仲間との関わり方

自分の業務で手一杯になり、一緒に働くメンバーと上手くコミュニケーションを取れていない、そう悩むことはないだろうか。

女性向けのマネースクールSHEmoneyのブランド責任者を務めている松尾さん。新卒で入社した大手企業のキャリアをそのまま歩むのではなく、当時10数名ほどのスタートアップ企業へ転職という大きなキャリアチェンジを経験している。

「『私はここまでやった』という紋所を作りたかった」という思いから決断したと言う。

今では数多くの新規事業を立ち上げ、SHEmoneyのブランド責任者として活躍する松尾さんに、チームマネジメントをする立場として、大事にしているコミュニケーション方法を教えてもらった。

「どんなアイデアでも出していい」ラフなコミュニケーション

日々チームのマネジメントを行う松尾さん、チームメンバーとのコミュニケーションで大事にしているのは、「心理的安全性」だと語る。「心理的安全性」とは、組織やチームの中で、周りの反応や意見に臆することなく自分の考えや気持ちを発言できる状態のこと。

松尾:「議論を押し通して進めていくことが大切なときもあるんですが、特に新規事業の場合は正解がないので、思いつきのアイデアが当たる可能性もあるんです。

なので、普段からいろんなアイデアが出やすいように、まずは『いいね!』って肯定して、それから『こうしたら、もっといいよね』とポジティブに伝え合える雰囲気づくりに気をつけています」

新しく入ってきたメンバーがチームの空気感を掴めるように、「未来を考える会」をやったこともあると松尾さんは続ける。

松尾:「新規事業って、0から価値を生み出さなければならないので、本当に大変なんです。だからこそ苦しいなかで頑張れる指針になるものって、言われたからやるんじゃなくて、自分の意思がこうしたいからこの事業に関わっている、という意義付けだと思うんです。

そもそも、なんでこの事業に関わりたいと思ったのか、成し遂げたいことは何かなど、メンバー全員とコミュニケーションを取るようにしています」

さらに、月に1回チーム全員で、先月の自分と比べて今月の自分がどうであったかを振り返り、内省できる場を設けているそうだ。

そこで、松尾さん自身が先月の自分と比べてレベルアップしたと思うことは何か尋ねると、「新規事業をやっていると上がってきた1つの声が大きくみえてしまうんですが、1つの声だけじゃなくて全体を俯瞰した上でどこが課題なのか特定して推進していくことは、先月よりはできるようになったかな」と答えてくれた。

松尾さんがレベルアップできるのも、周りとのコミュニケーションがあるからこそ。1人ではできないことも、ディスカッションする場を週1で設けるだけで大きく変わるという。

自分のマインドだけではできないことでも、周りからのアドバイスをもらうことで可能になり、日々のレベルアップに繋がっている。

過去の挫折経験から、自分なりのリーダー像を見出す

新規事業の立ち上げには体力的にもメンタル的にも苦しい印象がある。SHEmoneyを立ち上げるときも大変だったと語る松尾さん。特に最初のメンバー集めでは、金融の人にツテがないため片っ端から100人以上にメールや電話をした、なんてエピソードも話してくれた。

さらに松尾さんには、責任者という立場で、自分が折れたらいけないプレッシャーもある。踏ん張りがきかなそうなときには、どのように乗り越えてきたのだろうか。

松尾:「仲間たちにシェアするようにしています。悩みって1人で解決しようとすると結構きついと思うんですけど、シェアするとかなり負担が減るというか。あんまり格好つけずに、そのまんま話しちゃってますね」

行き詰まっていることを、メンバーには深刻になりすぎずに明るい調子で打ち明けると言う。

悩みをシェアするコミュニケーションはもともと得意だったのかと問うと、苦笑いを浮かべながら「もともとは塞ぎ込むタイプだった」と答える松尾さん。前職の入社3年目でプロジェクトリーダーに選ばれた際の挫折から、今のマネジメントスタイルが確立された。

松尾:「最初はリーダーがなんでも決める、リーダーが先導する、だから、誰にも相談しないで、みんなでこれやりましょうって感じでやってたんですよ」

当時は「引っ張っていくリーダー」が正解だと思って一生懸命頑張ってきたと言う松尾さん。しかし、自分のスタイルとは違う違和感もあったそうだ。

結果、チームは崩壊してしまい、本人はタフなほうだと言う松尾さん自身のストレスも極限状態だった。

松尾:「そのときにちょっと立ち止まって、リーダーにも2種類いていいんじゃないかって。リーダーシップを発揮する人は発揮すればいい。だけど私にはフォロワーシップの方が向いているんじゃないかって気づいたんです」

上司の助言がきっかけで、違うリーダー像のほうが向いていると気づくことができた。正解だと思っていたリーダー像に無理やり合わせることをやめて、コミュニケーションをガラっと変えたそうだ。

その後は、引っ張っていくリーダーではなく、自分の苦手な部分を包み隠さず相手に伝え、仲間に頼るようにしていると言う。

周りの気持ちの変化に気付けるセンサー

始めは人に頼ることができずに塞ぎ込んでいた松尾さんには、同じように、自分の抱えていることを言い出せないチームメンバーの気持ちもわかる。
今では、仲間の表情やちょっとした表現からネガティブな気持ちを汲み取り、悩んでいそうだと思った瞬間にはすぐに1対1で話す場を設けるようにしているそうだ。

「『ご飯行く?』『コーヒー行こっか』みたいな感じで」と笑顔で話す松尾さんからは、過去にリーダーシップで挫折した経験のある人とは思えないほど、頼もしいリーダーといった印象を受ける。

自分の業務をこなしながらもメンバーの変化に気付くことができる秘訣を聞くと、尊敬する上司の話を教えてくれた。

松尾:「当時の上司は忙しい方だったんですけど、ちょっと今いいですか?って相談したら絶対に話を聞いてくれる方だったんですね。どうしてそれができるんだろうと思って聞いたときに上司は、『暇な時間を作ることをタスク管理してる』って言っていたんです」

つまり、人のために空けておく時間を確保しているという。メンバーと話をする時間を取っていたがゆえに自身の業務時間が延びるようなことがないようにしているのだ。当時の上司の話を松尾さんも実践し、就業時間内に1時間は余白を取っている。

上司やチームメンバーとコミュニケーションを取りながら、自分のリーダー像で成果をあげている松尾さん。今後のSHEmoneyの発展やご自身の夢について語ってもらった。

松尾:「SHEmoneyは今はあくまで働いている女性をメインターゲットにしているんですが、性別も年齢も区切る必要はないかなと思っていて。もっと若い世代の人たちに金融教育をやっていきたいって思っています。

自分の母校でSHEmoneyの授業をするのが夢なんです」

きっと松尾さんは、余白を取ることで生まれた時間でコミュニケーションを活発化させ、自分のスタイルでチームメンバーと関わりながら、夢の実現に向かっていくのだろう。

キャリアスクールSHELikesのWebライティングコース(インタビューライティング)課題記事です。
課題提出後に添削いただいた内容を加筆修正し公開しています。

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