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OLIVE (映画マガジン)

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映画を観て感じた「!」をつらつらと書いていきます✏️ 映画メディア「OLIVE」(http://olive-movie.net) の公式サイトも是非のぞいてください!
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声というメロディーがなくても。 ー 「エール!」

こんにちは。 先週みなとみらいで開催していたフランス映画祭、みなさんは参加されましたか? わたしは、オープニング作品の「セラヴィ!」と最終日の「CUSTODY」を鑑賞しました。 そちらの感想はまた後日書こうと思っているのですが、今日は私がフランス映画にハマったきっかけになった作品を紹介しようと思います。 フランスのとある家族を描いた、あたたかい物語「エール!( La famille Bélier )」 この家族は、仲良しで、よくいる普通の家族にみえるのですが、実はみん

コーヒーと、タバコと、微笑みを。 ー「LUCKY」

英語とスペイン語が飛び交う、アメリカ南西部の街で過ごすラッキー。90歳。毎朝起きたら欠かさないのが、ヨガとエクササイズ。行きつけのカフェでコーヒーを飲みながらクロスワードを解き、ドラックストアでタバコを買う。 家に帰ると、クロスワードの続きをやりながらクイズ番組を楽しむ。特に代わり映えのしない、ラッキーの毎日が淡々と描かれます。頑固で厄介なおじいさんですが、街のみんなから愛される人気者です。 ラッキーは多くを語りません。説明的なセリフはなく、彼と彼が出会った人々との会

行き場のない怒りと 、赦しの物語 ー「スリービルボード」

怒りの行く先はどこなのか。3つの看板をめぐった人間ドラマ 舞台は、アメリカ中西部・ミズーリ州。 娘を何者かに殺されてしまった母親が、犯人をみつけるために世間と果敢に闘う姿を描いた物語です。 娘を失ったことから、怒り、悲しみ、憂い、後悔… さまざまな感情が、母・ミルドレッドの中で渦巻きます。 後ろに見える、真っ赤な看板 (billbord)。ミルドレッドは、自腹でこの広告を掲出します。 どうして? ウィロビー署長。( HOW COME, CHIEF WILLOUGHBY?

小さな幸せを、幸せと感じられること。ー 「万引き家族」

こんにちは! 先月、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝監督の「万引き家族」 。やっと時間をつくって観ることができました。 2004年に公開された同監督作品の「誰も知らない」でもそうでしたが、今作も同様で、希望を残すような物語ではなく、ドキュメンタリータッチで淡々と描かれていきます。なので、鑑賞後はいろんなことが頭の中をグルグルと回って消化するのに時間がかかりました。 一人一人が複雑なバックグラウンドを持っているため、身元が明確にはわからなかったりしたので、