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OLIVE (映画マガジン)

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映画を観て感じた「!」をつらつらと書いていきます✏️ 映画メディア「OLIVE」(http://olive-movie.net) の公式サイトも是非のぞいてください!
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#映画鑑賞

「映画館にささやかなエールを」寄付金についてのご報告

4月より実施してまいりました、映画館へ寄付企画「映画館にささやかなエールを」についてご報告です。 約320名の方々のご協力により、総額30万円の寄付金が集まり、ご指定いただいた全国40館の映画館へお届けすることができました。 お届けした映画館は、以下になります。 ▼宮城県 フォーラム仙台 ▼東京都 UPLINK、新宿武蔵野館、新宿シネマカリテ、新文芸坐、ギンレイホール、下高井戸シネマ、シネマシティ、(K’s cinema)、ユーロスペース、シネマ・チュプキ・タバタ、シネマ

自分のまま、大人になることー「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」

自分の部屋で、SNSの世界に浸る主人公・ケイラ。その姿は自分の中学生時代の姿と重なります。mixiでクラスメイトのブログを読んだり、隣の学校にいる気になる人のプロフィールを見つけては喜んだり。SNSはまさに、青春の一部でした。 そんな日々を赤裸々に描く「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」は、誰もが過ごした青春時代の1ページを切り取った、宝物のような作品です。 メール、SNS、またLINEなどのアプリの登場は、コミュニケーション方法から人間関係の築き方までを、劇

さよならのあとも、関係は続いていくー「ぼくとアールと彼女のさよなら」

映画のトビラvol.1 「ぼくとアールと彼女のさよなら」(Me and Earl and the Dying Girl) ひねくれ男子高校生と、少女の出会い主人公グレッグは、一歩引いて学園生活を眺めている、いわゆるひねくれ者の高校生。学校のすべての国のパスポートを手に入れ、みんなとそれなりに仲良くして卒業したいと願っていました。物語は彼のユニークな視点で語られ、テンポよく進んでいくのですが、彼の前に少女レイチェルが現れることで、生活リズムが変わっていきます。 心の中で成

歌い踊るように、手話をする未来へ。ー「ヴァンサンへの手紙」

【ろう者】 生まれつき耳が聞こえないか、言語を聞いて身につける幼少期に聴力を失った人。 映画「ヴァンサンへの手紙」は、監督・レティシア・カートンさんの友人ヴァンサンが、自ら命を絶ってしまったことをきっかけに企画されました。 ろう者であったヴァンサンが抱えていた苦しみと向き合い、それを世の中に伝えるためにろう者の内面をとらえるドキュメンタリーを、10年かけて制作したのだそうです。 「聴覚障害」を持った人は、世界に約4億7千万人。つまり世界の約5%で、日本国内では10万人とい

100エーカーの森は、永遠のこどもの記憶。ー「プーと大人になった僕」

はやく大人になりたい。 こどもの頃、よくそう願っていました。しかし大人になった今は、「こどもっていいな、戻りたいな」と思うことがよくあります。 イギリスでは、1830年代から始まったヴィクトリア時代に、子どもを崇めるような風潮がありました。子ども時代こそが人生最高の時期だと考え、大人たちは幼少期の輝きを求めました。その風潮から生まれた作品が「不思議の国のアリス」、「ピーターパン」… それに続くかたちで、1920年代に「くまのプーさん」が刊行され、イギリスで愛されるようになり

楽器のように声を操る、レジーナ・スペクターの魅力。ー「映画音楽のすすめ②」

突然ですが、アメリカのシンガーソングライター、レジーナ・スペクターさんを知っていますか?主題歌や挿入歌として度々映画に登場していて、それから彼女の音楽を聴くようになりました。 音楽はクラシックで、ファッションはモダン。 チャーミングかと思えば、次の瞬間には大人びた表情をする。そんな彼女の二面性に魅了されました。今日は彼女の楽曲を、映画と一緒にいくつかご紹介しようと思います。 The Call-「ナルニア国物語 第2章: カスピアン王子の角笛」私が彼女の歌声初めて聴いたのは