100エーカーの森は、永遠のこどもの記憶。ー「プーと大人になった僕」
はやく大人になりたい。
こどもの頃、よくそう願っていました。しかし大人になった今は、「こどもっていいな、戻りたいな」と思うことがよくあります。
イギリスでは、1830年代から始まったヴィクトリア時代に、子どもを崇めるような風潮がありました。子ども時代こそが人生最高の時期だと考え、大人たちは幼少期の輝きを求めました。その風潮から生まれた作品が「不思議の国のアリス」、「ピーターパン」…
それに続くかたちで、1920年代に「くまのプーさん」が刊行され、イギリスで愛されるようになり