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11/19の日記:変化の話

季節は移ろい、すっかり寒くなった。
令和ちゃんの温度調節がどれだけポンコツだろうと、なんだかんだで冬は来る。

冬が来る……冬……?
冬といえば……?

秋よりも冬が好き。キミとの距離が近いから。

───ましろ色シンフォニー SANA EDITION

ましろ色シンフォニー SANA EDITIONの時間だオラァ!!!!!!!!

発売から間が空いてしまったが、半分くらいプレイできたので、色々と思ったことを書いていこうと思う。

まず冒頭、主人公の妹が迷子になってしまうシーン。
作中では電話でやり取りをしつつ、徐々に落ち合う場所をすり合わせながらようやく会えた……という場面だが、少なくともこれを書いている2023年では描けない部分だな、と改めて思った。

初めてましろ色シンフォニーをプレイした時はまだガラケーが主流であり、スマートフォンが隆盛を極めるのは数年後の話だ。
ゆえに、コミュニケーションをとる方法は電話かメールで、今のように地図アプリを開いて……といったことはできない。
仮にスマホが使えたとして、地図アプリが使用できないほど速度制限がかかっていたとしても、コンビニに入ってフリーWi-Fiを使えば場所の確認はできてしまうので、このシーンを現代で再現することは難しそうに思えた。

いやぁ、2023年発売の最新作にもかかわらず、前時代的な表現がとてもうまいなぁ……えっ? ましろ色シンフォニー無印版は2009年、コンシューマ版は2011年発売だからこの描写は当然のことだって?

フェルン流石にそれは嘘だよ ましろ色シンフォニーは5年くらい前の作品だし
アニメでみう先輩ルートなんて描くはずないよ

紗凪ルートでは「新しいものを拒む気持ち」と「変容する勇気」について描かれており、読んでいて考えさせられる部分が多い。

学園の統廃合によって共学校(主人公側)と女子校(紗凪側・しかもお嬢さま校)が合わさり、本決まり前の試験運用クラスを舞台として物語が始まるが、当初の女子校サイドの抵抗感はかなり高い。
おまけに紗凪の男嫌いも相まって、主人公との関係性はマイナスもマイナスのスタートだ。
そんな最悪の空気の中から主人公側が関係性の良化に尽力するところは、読んでいて素直に応援したい気持ちになった。
特に調理実習のところはすごいいいシーンだよね。初めてプレイした時も同じことを思った。

して、紗凪側からすれば「今まで女子校で楽しくやってきたのに、どうして男なんかと一緒に学校生活を送らなければならないのか、これまで通り女子だけの空間で過ごせるのが最高の幸せだったのに」なんて気持ちになるのは火を見るよりも明らかだ。
少しずつ主人公側への考えが変わり、やがて主人公への恋心を自覚していくわけだが、現状を維持したいという気持ちにはとても共感するし、きっと自分も同じ考えになるだろうなと思う。

結果として物事がうまくいくのは創作だからそれはそうなのだが、現実的には変えない方が上手くいったり、むしろ悪化することだってある。
だが、変化を拒む先にあるのは「緩慢な死」であることは揺るぎようのない事実。
無論その死を受け入れるのであればやむなしとはいえど、事態を好転させたい・少しでも前進したいという思いが幾ばくでもあるのなら、変容する勇気を持つことが肝要なのだと身につまされる思いだ。

主人公は優しい男だ。誰にでも物腰は低いし、人によって態度を変えるなんてことはせず、真面目ないい人である。
ゆえにクラスメイトの女子からも評判がいいが、紗凪からは八方美人であることを指摘されもしている。

自分のことないがしろにして、他人の顔色ばかり気にして、それが格好いいとでも思ってるのか?

乾紗凪 ───ましろ色シンフォニー SANA EDITION

誰にでも優しい?
自分に問いかけて、すぐにそれを否定する。
違う、そうじゃない。
俺は誰からも嫌われたくないだけなんだ。

瓜生新吾 ───ましろ色シンフォニー SANA EDITION

わ、わかるゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!

自分も曲がりなりに「いい人」になろうとしてるけどさぁ!!!!!!!!!!こうなるのよ!!!!!!!!!!!!!!
誰かの好感度100に対して誰かの好感度が-100になるくらいなら全員の好感度が平均10くらいでいいって考えちゃうのよ!!!!!!!!!!!!!!!!
八方美人でいることが自分の存在理由になっちゃうからさぁ!!!!!!!!!!
かっこいいまでいかずともそれがいいことだって自分に言い聞かせないと生きていけないのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

とうもろこしの筒の中にある夢

【春】リレー形式の川柳で温かい気持ちにナッチャオ! ───オモコロチャンネル

もちろん、変わるのは紗凪だけではない。主人公も変わっていく。
紗凪への気持ちを自覚するにつれ、特別な存在ができるということ、人を好きになることを彼なりに考え、一つの結論を出す。

上手く言えないけど……一緒に変わっていける相手がいいかな。
どちらかが片方に依存するんじゃなくて、
いつもふたりで歩いて、色々なことを発見して……
一緒に、いいオトコといいオンナになれればって思う。
そういう相手がいたらなって思うよ。
だから、男の2、3歩後ろを歩くような子じゃなくて、
一緒に手をつないで横を歩いてくれる子がいいかな。

瓜生新吾 ───ましろ色シンフォニー SANA EDITION


イヒヒヒ………イヒ……イヒ……ポヘェ───ッ
イヒイヒイヒイヒイヒイヒヒヒヒ
フヘホハホ ヒホホホ イヒヒヒヒ

齢を重ねるたび、変化に対する忌避感が高まってしまうのは致し方ないことだと思う。
そんな中でも、主人公とヒロイン双方の心境の変化を紡いだ本作はとても心に残る作品であり、最初にコンシューマ版をプレイした時には気づくことができなかった奥深さを再認識できて、心が洗われたような気持ちになった。

グレートでスよ こいつはぁ~~~~~っ

みんなもましろ色シンフォニーをやろう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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