「使途不明時間」、計画を倒壊させるシロアリ
ゴールデンウィークが終わった。
4月末の時点では、読む本を決め、観る映画を決め、やるゲームを決めて意気込んでいたけど、結果的にじっくり時間をかけてたのしめたのはNetflixの『ハーフ・オブ・イット』ぐらい(これはすごくよかった!)。あとはぼーっとテトリスをやったり、何度も観たバラエティ番組をまた観たり、何をしていたとも言えないような時間を過ごしてしまった。世の中がどうとか関係なく、ぼくの連休はいつもこんな感じだ。計画通りに過ごせたことがない。
編集という、誰かに何かをお願いしながら進める仕事をしている人間がこういうことを言うのもどうかと思うが、計画通りに物事を進めるのが苦手だ。
計画には大きく分けてふたつのフェーズがある。立案と実行。立案は割と好きだ。その証拠に、先述の通りこの連休の過ごし方ににも「立案」はあった。24時間をどう過ごすか考え、ここでこの映画、ここでこの本、散歩してビールを開けて……とパズルのようにGoogleカレンダーを埋めていくのはたのしい。やりたいことが詰め詰めになったスケジュールは穴のないテトリスのようで気持ちがいい。
問題は「実行」。計画を立てて満足してるわけでもないのだけど、とにかく、その通りに物事を進めることができない。注意散漫が過ぎるのだ。計画というと数週間から数ヶ月のものを想像される方も多いだろうが、ぼくの場合、計画のズレは一分一秒を争って起きる。
今も、このnoteを30分で書こうとしているうちに別件の返事を急かされ(催促されるのは自業自得)、喉が渇いたことに気づいて紅茶を入れようとお湯を沸かしているうちに、ベランダの室外機用に買ったまま放置していた日よけの存在を思い出して設置し、その間にお湯が少し冷めたので温め直し、紅茶をすすりつつ席に戻ってくるまで20分を要した。
こういう「何してたとも言えない時間」が増えていき、シロアリのように計画をむしばみ、やがて倒壊していくのがいつものパターン。むかしドラッカーの本か何かで「自分の時間を記録し、時間を我が物にしよう!」という教えがあり数日やってみたことがあるが「使途不明時間」が多すぎてげんなりして諦めた。そんな性格なので、老若男女問わず、自らの時間を支配している人に会うと無条件に尊敬してしまう。
もっと余裕を持ったスケジュールを!もやったし、ストップウォッチを使ってメリハリを!もやった。思い切ってオフラインに!もやった。他にもいろいろやったが、現状抜本的な改善には至っていない。計画の得意な人と一緒にはたらくのが、当面の対応策。