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「ネタはここにあるし、今日見つかる」

東京駅の近くを歩いていたら元同期の男に会った。「ちょっと太ったんじゃない?」と言ったら、「前会ったときと変わってないよ!」と返してきた。互いに急いでいたので1分も話さなかったけど、気持ちのいい時間だった。

出先で、不意に知り合いに会うのはたのしい。東京駅の八重洲側には、新卒で入った会社の本社がいまでもあり、その周辺を歩くと、頻繁に元同僚に会う。誰に会っても嬉しいし、気持ちが躍る。

「不意に」と書いたが、ぼくにとって八重洲のそれは、おそらく偶然ではない。会えばいいことがあるとわかっているから、無意識に「いる」前提で過ごしているのだ。スマホをみる時間を減らし、すれ違う人たちの顔をよく見ることによって、「いいこと」の起きる可能性を高めている。

ひるがえって考えると、気付いていないだけで、各所で知り合いとすれ違っているのだと思う。ボーッと歩くことで失っている機会がたくさんあると思うとかなしい。

きっと、あらゆる種類のアイデアもそうなのだ。自分の暮らしに期待して、「ネタはここにあるし、今日見つかる」と思って暮らせば、そうなるのだと思う。少なくとも、その可能性は高まる。