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何年たっても、ピザポテト

うちの母は、かつてカルビーに勤めていた。

滋賀県内のスーパーを車で回って新商品やリニューアル品のサンプルを配り、ひと箱でも多くの注文をもらってくるのが仕事の営業ウーマンだ。時間の融通が利いていいんだと、なんだかんだ、20年以上にわたって同じ仕事を続けた。

母の仕事の関係上、家には常にカルビー製品があふれていた。ポテトチップスはもちろん、じゃがりこ、サッポロポテトにかっぱえびせん、ピザポテト、カルビーワッフル、フルーツグラノーラ、堅あげ。農家が米を買わないように、スナック菓子を店頭で買うことはなくなり、中・高のときはうちがたまり場になった。

しかしまあ、たくさん食べるとなんでも飽きる。

最初は新商品が来るたび大喜びしていたぼくと妹も段々とリアクションが薄くなり、母親が得意先で他社社員とトレードしてくる、森永や明治のチョコレートの方が楽しみになっていった。好きだったかっぱえびせんも食べ過ぎてしまって飽きがきて、もう20年以上購入していない。なんでもやめられるし、とめられるのだ。

ちなみに、そんなじゃがいも漬けの青春時代をおくったぼくと妹が20年飽きずに食べ続けているのが、ピザポテトである。内容量は少なくなったし、お供がコーラからビールに変わったりもしたが、あのこびりついたチーズのうまみは普遍的。

あああ、めちゃくちゃピザポテト食べたくなってしまった。今日、ひさびさに買いますね。