世界中の人に自慢したいよ
中学生の頃、滋賀県の片田舎に住むぼくの生活の中心はゲームだった。FFやバイオハザードといった話題作の発売日ともなれば、全長1.4キロの琵琶湖大橋を自転車で猛スピードで渡って対岸の大津市にあるゲームショップへと行き、それ以上のスピードで帰宅して夢中でプレイしたものだ。
欲しいものを探し、見つけ、お金を払い、持ち帰る。ずっと欲しかったモノを買ったときの帰り道はバラ色だった。多少は狩猟もやっいたであろう祖先たちのDNAが「獲ったぞ!」と喜んでいた気がする。
アラサーと呼ばれる歳になったいま、何かを買ってそういう感情になることはあまりない。それは、安価なものしか買わず「渇望感」が募らないからかもしれないし、なんでもネットで買ってしまうので「見つけるよろこび」がないからかもしれない。いずれにせよ、マイホームでも買わないと、あのレベルの高揚感を味わうことはできないと思っていた。
予想は外れた。機会は意外と早く訪れた。
いまぼくは、むちゃくちゃドキドキしながら帰りの電車に座っている。今日買ったものを、早く使ってみたくてたまらない。正面に座る疲れ切ったおじさんたちに、配ってまわりたい気持ちをグッと抑えている。手に持つ紙袋に入っているのは、刷り上がったばかりの新しい名刺だ。関西に本社を持つ「グラフィック」という印刷会社さんに頼んだ名刺が、たまたま大阪に行くタイミングで受け取れると知り、もらいにいってきたのだ。
とりあえず1000枚。この数が多いか少ないかわからないけど、いい紙で刷ったのでけっこうな値段になった。さっそく名刺入れをパンパンにしたので、誰かと名刺交換がしたくてたまらない。それなりにやる気のある新入社員だったと思うけど、社会人1年目でもこんなテンションにはならなかった。この気持ちはなんだろう。ファウンダーズハイ?
すてきなデザインなので、これからお会いするみなさん、ぜひもらってやってください。すてきなデザインなので、どこに置いてもらっても景観を損ねることはないはずです。
はやく、この名刺が似合う男にならなきゃ。
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