見出し画像

【タイガーマスク Op14】美貌のヒットマン ジェーン

タイガーマスクのフィギュア公開、虎の穴の重要人物シリーズ。虎の穴の唯一の女性キャラ・ジェーンが登場。
タイガーマスクは50年以上前の古い作品なので、本作品についてご存じない方、ストーリーを再確認したい方、虎の穴について深く知りたい方は、下記の記事をお読みください。
タイガーマスク ミニチュア フィギュア紹介 でもその前に・・・・|Yuniko note

ジェーン

美貌のヒットマン ジェーン

登場話:第85話「死のハンター」、第88話「炎の死刑台」、第103話「あがく虎の穴」
タイガーマスク抹殺に失敗続きのミスターXが虎の穴本部から招聘したプロの殺し屋3人衆の一人(他の2人は男性)。ジェーン本人の言によると「虎の穴本部で特殊訓練を受けている」らしい。
その言葉を裏付けるごとく、第85話では東名高速道路を疾走する伊達直人とスリリングなカーチェイスを繰り広げ、若月ルリ子の声帯模写も披露している。
CVは後に「銀河鉄道999」で主人公・星野鉄郎の母を演じる坪井章子。冷酷非情な美貌のヒットマンと非業の死を遂げる薄幸の女性とのギャップが強烈です。

ジェーン

お言葉を返しますがミスターX、それはあなたのせい

第88話「炎の死刑台」では、一市民の伊達直人抹殺の罠が相次いで失敗に終わり苛立つミスターXを「お言葉を返しますがミスターX,それはあなたのせい」と痛快にやり込める場面もある。さしものミスターXも、これには返す言葉もなかった。美しいだけでなく、気も強そう・・・・
虎の穴出身の悪役レスラーは、その多くが孤児出身ということのようだが、ふとジェーンはどんな生い立ちをして虎の穴の殺し屋になったのだろうか、と考えてみる。
意外にも、彼女もみなしごで、人知れぬ悲しい過去があるのかも・・・・なんてね。

ジェーン

小説「ジェーンが少女だった頃」

アメリカのシカゴに小さな自動車工場を営む夫婦が住んでいた。ある年、その夫婦に一人のかわいい女の子が生まれた。
ジェーンと名付けられたその女の子はすくすくと成長した。裕福な家庭ではなかったが、働き者で陽気な父と料理の上手な母の愛情に包まれ、幸せな日々を過ごしていた。

ところが、ジューンがもうすぐ小学校に入学するというある日、父親が交通事故で死去。体が丈夫でなかった母親も、夫亡き後の自動車工場を切り盛りしようとした無理がたたり、夫の死後半年も経たないうちに亡くなってしまった。
一人残されたジェーンはあまり付き合いのなかった親類の家に引き取られたが、親類の家は貧しい上に子だくさん。初めこそ歓迎されたジェーンだったが、すぐに邪険に扱われるようになった。さらに不幸なことに、入学した小学校でも陰湿ないじめに遭い、周囲に心を閉ざすようになってしまった。そして、10歳を迎えようとする頃、追い払われるようにニューヨークの孤児院へと預けられた。
孤児院での暮らしは質素だったが、今までの生活とは打って変わって、楽しかった。時々、養家や学校での辛いいじめの記憶がよみがえることもあったが、友だちも出来た。ただ・・・・毎年、体が大きく頑健で力持ちの少年に限って「引取先が見つかったから」ということで、あいさつもなしに孤児院から姿を消していくことが、うらやましくもありつつ、少し気になった。

美しく成長したジェーンはハイスクールに入学した。そこで優秀な成績を示した彼女は特に語学が得意だった。彼女は「大学に進学して、通訳になり、世界を舞台にして活躍したい」という夢を抱くようになった。

もうすぐハイスクールを卒業するというある日、ジェーンは院長に呼ばれた。院長室に入ると、モーニングを着込み、モノクルをつけ、青白い顔をした不思議な紳士がいた。彼はジェーンに言う。「Miss.Jane。わが"Tiger’s Cave Co.Ltdは世界的な規模で事業展開しているエンターテイメントグループだ。聡明で語学が堪能なあなたの力を生かして、ぜひわがグループで活躍してもらいたい」・・・・
院長も大喜びで賛同してくれた。仕事に必要な教育は、グループ附属の全寮制のスクールで責任をもって行う上に、寮費も学費も無料だという。夢が思わぬ形で叶うことになり、夢見心地のジェーン。
Tiger’s Cave Co.Ltdの本部はスイス・アルプスの豊かな自然の中にあるという。ジェーンは、少女の頃に読みふけった「アルプスの少女ハイジ」で描かれた美しいアルプスの自然の中での暮らしにも胸がときめいた。

ハイスクールを卒業したジェーンは、あの不思議な紳士=ミスターXに連れられて、スイス・アルプスの山中にあるTiger’s Cave Co.Ltdの本部=虎の穴本部に向けて旅立ったのだった。
そう。ジェーンが育った孤児院は虎の穴の末端組織。院長ももちろん虎の穴の息のかかった人間。「引取先が見つかったから」と姿を消していった孤児院の少年たちは、院長の推薦で虎の穴訓練生としてスカウトされていったのである。(了)

はい。いい気になって考えてみました、ジェーンの少女の頃の物語。
冷酷非情なヒットマンになる前、ジェーンにもこんな過去があったのかもしれませんね。
※この短編を執筆するにあたり、河崎実の「タイガーマスクに土下座しろ!」中の「小説『赤き死の仮面』」を大いに参考にさせていただきました。というか、はっきり言ってほとんどパクリです。深謝。

ジェーン

作品解説

ジェーンは登場話ごとにファッションが異なっているイメージがあるのですが。ここでは最終登場話となった第103話「あがく虎の穴」でのファッションを再現。ピンクのハイネックセーターにベージュのショートパンツ、ベージュのトレンチコート、黒のロングブーツ。そして3話にわたった登場話で彼女が変わらず身に付けていたのがピンクの丸サングラス(とグレーのチューリップハット)。
とあるタイガーマスク研究本で、60年代ヒッピー風ファッションと紹介されていたけど、そうなの?
トレンチコートは製作が難しかったけど、うまく出来た作品と思います。サングラスで隠れてしまったけど、実は、顔もかわいらしく描けています。

次回作品もご期待ください

6回連続でお送りしたタイガーマスクのフィギュア紹介も、ここで一休みします。
タイガーマスクの登場人物フィギュアはまだまだありますので、次回作品をご期待くださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?