VRカノジョが出来るまで
ゆなゆなです。前職はイリュージョンでVRゲームを作っていました。
今回は、VRカノジョが出来るまでを書きます。
2013年にOculus DK1(VR HMD)と出会ってからは毎日がVRの日々。
VRを使ってナニが出来るかUnityをいじってはHMDをかぶって確認、いじっては確認。これの繰り返し。
苦痛に思える作業だが、けっこう楽しい。そう夢があるから。それは
”VRでかわいい女の子と楽しいことをやりたい!
ちょっとオブラートに包んだ言い方ですが。
VRゲームをお仕事で開発できるように上層部に掛け合い、開発を開始。
いろいろと四苦八苦、プロトタイプを作り、イベント出展したりで忙しくはあったのですが、なかなか売上には繋がらず苦戦していました。
セクシー女優を3DスキャンしてVRで楽しむゲームというものも作ってみたりも(10年ぐらい早すぎた)
開発は楽しかった。色んな意味で
正直な話、この当時は ”VRなんて儲かるのか?” と思う人がほとんどで
社内においてもVRゲーム開発は逆風も逆風。
当時の代表のおかげもあって、最後の一手ということでVRカノジョの企画が立ち上がりました。
そう、これに成功しなかったらVR開発は終了。
まさしくファイナルフ◯ンタジー状態
過去のプロトタイプなどの開発で得た経験をもとに失敗点を改善しながら、
登場する女の子キャラの可愛らしさを盛り込み、VRならではの自由度を組み込み、今では当たり前になってきたモーションキャプチャを駆使してキャラに命を吹き込み、いろんな欲望を詰め込んだゲームに全身全霊をかけて仕上げていきました。
イリュージョンとしても、大人向けゲーム業界としても、過去になかった方向性のタイトルになっていったのではないでしょうか。
作ることよりも売ることの難しさ
そうやって出来上がったVRカノジョ。いざ売り出す時に一つの問題が
”値段をいくらにしよう?”
前例のないタイトルで値段の付け方が難しい。
よくあるフルプライス(8000円以上)だと高すぎるし、当時から主流になってきた低価格(980円とか1980円とか)だと安すぎる。
他のVRタイトルを見ると、概ね低価格帯が主流になっていたので、まずは2000円ぐらいで検討。しかしコレでは夢がない。
また、開発にかけてきた情熱、スタッフ、リソースを鑑みても低すぎる。
VRタイトルだからこの値段という付け方じゃなく、VRカノジョだからこの値段なんだ!という観点から、最終的に4980円に決定!
もちろん、周辺からは高すぎない?というお言葉は頂きました、はい。
それでも自信を持ってこの値段で行きます!と宣言
そうして発売日当日。
今だから言えますが、正直怖かった。
全然売れなかったらどうしよう。。。
売れなかったら終わりだな、ははは
そんな言葉が頭に浮かびながら、発売日を迎えます。
世間のVRの盛り上がり、期待度が大きくなっていたのを感じてはいましたが、とはいえVR機器を持っている人がどれだけいるというのか。
この時の内々のVRカノジョの販売目標は3000本。これは開発費が回収できればいいねぐらいの設定目標でした。もちろん私はもっと売れるだろう!と思っていましたが、そこに到達できないという不安もなかったわけではありません。
いよいよ発売!
当時は、Steamでの発売ではなく、自社オンラインショップを使っての自社販売。
発売開始直後に異変が!
ショップ担当からの報告
”サーバーが落ちました!”
発売日なのにサーバーが落ちるなんて、なんてこった!
この報告を受けたときは、単にサーバーの不具合かなにかでトラブルに見舞われたとしか思っていませんでしたが、続いての報告で
サーバーに多くのアクセスが集中してのトラブルだと分かりました。
さっそくサーバーを増強。今まで経験をしたことのないアクセス量に
オンラインショップ担当も驚きを隠せません。かく言う私も。
発売初日が終わり、販売数を計測。
何より気にしていた販売数はいかほどか。
驚くことに販売目標の3000本超え!
トータルの目標を1日で超えてきたことに、だれもが狂喜乱舞しました。
”こんなにVRユーザーがいるなんて!”
誰かが言ったこの言葉に、一同頷き。
私も予想を超える販売数に安堵するとともに、開発してきた日々を振り返り
辛かったこと、楽しかったことが一気によみがえってきました。
こうして無事に船出を迎え、この後も順調に販売数を伸ばしVRゲームを
この後も開発をすることが決まりました。
諦めるな、諦めたらそこで終わりだ
諦めそうになったときも勿論あります。
そこで諦めたらVRカノジョは生まれなかったでしょう。
この後、VRカノジョはSteamで世界へ。
多くのユーザーに体験していただき、多くのユーザーの声を聞くことができてとても感謝しています。
Steamでの販売も大きなトラブルに見舞われとても大変でしたが
その話はまた後ほど。
これからもVR開発、頑張っていきます。
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