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デュエプレGPに向けたデッキ調整録〜カジュアルデッキビルダーがGPベスト32位になるまで〜

 初めまして、Yunです。今回初めて書かせていただきます。

 実は約1年前のデュエプレ選手権で関西代表になっていたりする(といっても、他の実績が全くない)ただのカジュアルデュエプレプレイヤーです。

 今回私が書いていくのは、デュエプレGP(以下GP)予選10位通過、ベスト32になった、5cリリィHDMがどのような考えを元にできたのかという調整録です。
 いちデュエプレデッキビルダーとしてそこそこ良い戦績を残せたので、ここに書き記そうと思い、今回筆を執ることにしました。

 以下が目次になります。

第一節:緑単サソリス

 …実は、抽選に当たってからしばらくは、緑単のサソリスの構築を模索し続けていました。
 なぜこの時期にサソリスを握っていたかというと、このころから25弾環境においての中速ワンショットの通りがいいのではないかと考えていたからです。

従来の前寄せサソリス
ただし、この頃から高飛車姫プリンの重要性については理解していた模様
受けがもう少し欲しかった為Rev.タイマンを2枚採用

 しかし、このころは天門がUKパンク、黒単ヘルボロフと並んでtier1と呼ばれていた時期であり、黒単のハンデスが重すぎることに加え、UKにはカードパワーで押し負けてしまい、天門にはカウンターで圧殺されてしまったため、他のデッキを探さざるを得ませんでした。

第二節:前寄せイメン(擬似シューゲイザーワンショット)

 他のデッキを探すといいつつもずっと、ミッドレンジのワンショットデッキの通りが良いという考察を立てていました。
 また、私自身強豪プレイヤーというわけでは決してなかったので、世に出回っているデッキリスト(俗にいうテンプレ)では太刀打ちできないと考え、初見殺し満載のデッキを組んでGPへと向かおうとしていました。
 そこで、NDのカードリストや当時の紙の環境デッキのテンプレリストを眺めていると、ある一つのデッキタイプが目につきました。

デッキ参考元:けみくろ放送局様
↓動画URL:
https://youtu.be/hYJ5OIWBSXg?si=gIhuoRi66sV8Nrtj

 それが、「シューゲイザーワンショット」。デュエプレでも環境に一時期いた、シューゲイザーからキリュー、王女プリン、王女プリン、キリューと立てながらワンショットをねらう、中速ビートデッキです。
 ただし、今現在のND環境にピクシーライフが存在しないことや、解体人形ジェニーがランダムハンデスであること、勝利のリュウセイ・カイザーの召喚コストが7であることを考慮して、シューゲイザーではなく、イメンフーゴでワンショットしようと考え、以下のリストが完成しました。

 この構築はマナゾーンにキリューや王女プリンが落ちたときの爆発力が高かったのですが、いかんせん運要素が強く、デッキの出力にかなりブレ幅がありました。白抜き4c以外にも、デアリ(火闇自然)、青緑、赤緑、青抜き4c、トリーヴァ(水光自然)など、様々な構築で試していたのですが、最終的には、5色のイメンに落ち着きました。

第三節:上位互換の登場と流行(5cデッドマン)

 …まさか25弾中盤に5cが流行るなんて思ってもいませんでした。今まで考えてきたイメンワンショットの明確な弱点として、イメンが場から離れてしまうことに加え、ボアロアックスの龍解ができないことでした。環境も固まりつつあった25弾中期にこれらの弱点を的確につくカードをデッキに無理なくいれたデッキが大流行することは、はっきりいって想定外でしたし、デッキ構築の大きな障壁となりました。

13マナ時のデッドマンが一番強い
デブラ1枚で今までのイメンは完封されました

 しかも、このデッキはイメンに比べて大型獣のパワーによる圧殺が可能なことに加え、エメラルーダやスパーク呪文による耐久力もある、完全に上位互換といえるデッキタイプでした。
 私もこの5cに乗り換えようとしましたが、世に出回ったリストでは練度負けしてしまうと思ったのでさらにデッキの研究を重ねることにしました。

第四節:とあるカードたちとの出会いとひらめき

 5cデッドマンが流行したことによって、ワンショットの天敵である天門などの受けデッキがかなり減少しました。これ自体はワンショットデッキに追い風が吹いていたのですが、デッドブラッキオがイメンにとってとにかく重かったので、イメンワンショット以外のサブフィニッシャーを探し始めました。
 そこで、目を付けたのがこのカードです。

以下HDMと呼びます。

 このカードは私が欲していた、
①フィニッシュ力
②マナ基盤に必要な色
③盤面破壊力 
を持った、救世主のようなカードでした。
 ただし、自分の盤面すらも更地にしてしまうため、何かずっと盤面に残るがないかなぁとデッキリストを眺めていると……

環境だと除去手段が魔狼月下城の咆哮ぐらいしかないのも強い要因のうちの一つ

 ありました、答え。そう、リリィHDMです。一時期環境に姿を現してひっそりと消えたリリィHDMを、何とか25弾環境仕様にチューニングしようとここでなりました。

イメン→リリィの動きができるため白は最低限

 まだイメンワンショットを諦めきれなかった私は、イメンワンショットにリリィHDMを突っ込みました。そして回すこと十数戦、ついにあることに気づきます。
「あれ、イメン出すタイミング、なくね?」
 イメンを出したいときにはマナにキリューや王女プリンが不在なことが多く、マナにため込んでからのワンショットは相手のカウンターを食らいやすかったのです。
 また、黒単相手に2枚のMASでは心もとないことも多々あったため、ようやくイメンワンショットに別れを告げ、リリィHDMに構築を絞っていくことになりました。

第五節:ブレスト採用型5cデッドマンと5cMASの台頭

 さて、リリィHDMを組むにあたってどのように構築しようかと考えた結果、2つのデッキタイプにまで絞り込みました。
・5cにして最速リリィHDMで勝負を決めに行くデッキ
・エンドレスヘブンなどで耐久しつつカウンターを決めに行くデッキ
 それぞれ一長一短ではありましたが、先ほどからワンショットの通りの良さを信じている私には、上の道しかありませんでした。そこで組んだデッキがこちらです。

マナを増やすことを優先したため初動10枚

 基本的にエビデンスの龍解は狙わずに、山を最速で13枚以下にしつつリリィを置いて、HDMでワンショットを狙っていく構築でした。
 これも十分に強く、構築が完成したと思っていた矢先、連日立て続けに2つのデッキタイプが登場します。

デッキ参考元:こころ様
↓動画URL:
https://www.youtube.com/watch?v=ElBmuVR1oqs&t
デッキ参考元:熊本に帰りたいくまモン様
↓動画URL:
https://www.youtube.com/watch?v=0oLNYGBWXfE&t

 この2つのデッキから、ブレインストームとプロテクションサークルの強さについて気付かされました。が、固定観念にとらわれてなかなか枠をあけることができませんでした。
 そこで、当時仮加入していたデュエプレチームの黒の組織の方々に相談することにしてみました。
(追記:5/19日に正式加入しました!)

初めはイメンの相談をしていた
ブレストについて教えられる私
ランクマは当時そこそこ勝てました
採用・不採用理由はなるべく言語化できるように心がけています
採用・不採用理由はなるべく言語化できるように心がけています

 チームメンバーに相談し、ランクマで回して改善点を伝えるということを何日も続けました。そして、ついに納得のいくリリィHDMが完成しました。

GP予選10位、ベスト32位 5cリリィHDM

まずはリストをご覧ください。

ほんと、いいデッキ。

以下本文に、各種カードの採用枚数・理由や、説明等をおこなっていきます。

採用カードとその理由

⚫︎ブレイン・ストーム  2枚

ミラクルを確定成功させる動きがとてもいい

 動画を参考に採用したカードその1。主にエビデゴラスの龍解や、初動を引けない時に探しに行くのにつかいます。どちらかの山札が13枚以下で、自身の場にエビデゴラスがあるのときに、HDMを召喚した後、この呪文を唱えることでリーサルを作ることもできたりします。
 ただし、枠の関係上2枚に抑えています。


⚫︎フェアリー・ライフ  4枚

初動と言えばこれ

 2コス初動ブーストカードの祖。ジャスミンではない理由としては、速攻対面時にトリガーからのワンチャンスを生ませるためです。ミラクルも手札にあり、対面が遅いと判断した場合マナの色要因にすることもあります。初動ブーストが8枚欲しいため4枚採用。


⚫︎プロテクション・サークル  2枚

使ってみないとわからない強さ

 動画を参考に採用したカードその2。主に中盤に延命するために使います。クロックやDNAを埋めてカウンターリーサルを決めましょう!自身の盾の枚数が相手と同数であり、場にエビデゴラスが2枚ある場合に限って、この呪文を打つことで龍解させることができます。
 枠や色の都合上2枚にしていますが、本当はもっと入れたいカードです。

⚫︎週末の時計 ザ・クロック  2枚

いよっ、最強!

 最強の受け札。ターン終了時処理すらすっ飛ばすS・トリガー。アルファリオンの呪文ロックを貫通する受け札なので、白単や5c相手にはプロテクション・サークルを使って是非埋めたいカードです。ただし、場にドラゴ大王が出ていると場に出せないのには注意!(自身の大王も含みます)
 受け札を散らして、相手を警戒させる目的での採用なので2〜3枚ほどでいいと思っています。

⚫︎フェアリー・ミラクル  4枚

生涯現役初動

 現代でも使われている最強初動。わずか3コストで自身の山札を2枚も削れるカードという認識を持っておくことがオススメです。
 例えば、山札が15枚の時にミラクル→HDMで、HDMに全体破壊を付与することができます。
 マナを増やせば増やすだけ択が増え続けるデッキなので、しっかり色が揃ってからも打ちましょう。
 また、赤黒のカードが埋まっていない時はあえてこのカードを見せないことで、トリーヴァ(光水自然)の耐久デッキに偽装できたりするみたいです。もちろん4枚採用。

⚫︎Rev.タイマン  2枚

決勝ラウンド1回戦、こいつが初めの2点でめくれそのまま敗北
致し方なし

 別名緑のスパーク。しかし、革命2が発動しないと全体フリーズはできない。
 本当はこの2枚をそれぞれクロックとDNAにしたかったのですが、そうすると初動を兼ねる緑の枚数が14枚となってしまい、ブーストできなくなりかねなかったので渋々採用した形となります。

⚫︎ウソと盗みのエンターテイナー  3枚

間に合えば強いメタクリ
黒単対面一旦HDMで走った後に置くと強い

 赤黒の色基盤兼踏み倒しメタ。こちらが先行で、フェアリー・ライフを打ち、色がある場合はバイクにも間に合います(なお要求値)。主に詰めの時に添えると本領発揮してくれます。
 また、このデッキの場合リリィと合わせると、絶対に攻撃されないエンテイが爆誕します。黒単対面にも結構重宝します。
 色が欲しいのと横に添えたいので3枚採用。

⚫︎フェアリー・シャワー  3枚

いつ引いても強い

2→4のマナカーブ時に1番強い動きでありつつ、”エンテイor HDM + シャワー” を1、2ターン目に埋め、3ターン目に光文明を置くと確定ミラクル2ブーストができるようになります。
 また、このカードも山札を2枚減らせるカードであるため、HDMの本領発揮に一役買ってくれています。
 ただ、多色カードであることや、枠の兼ね合いで3枚採用。

⚫︎純潔の信者パーフェクト・リリィ  4枚

20弾のカードなので5月23日にスタン落ち
このデッキのMVP

 来ました主軸カード。パワーマイナス以外では”絶対に”場を離れない、不死身なクリーチャーです。この効果のおかげで、HDMの横にしれっと残って、相手プレイヤーの顔へと突撃してくれます。攻撃時1体タップが地味にえらい。
 一見最強に見えるこのカードですが、タップされていると大抵ここに攻撃されます。
 そして、攻撃時効果を安全に使われてしまうことには注意が必要です。
 主軸カードなので4枚採用。

⚫︎DNA・スパーク  3枚

トリガーDNAの安心感
次環境で呪文ロックが軒並み消えるので、文字通り最強トリガーになりそう

 カウンター呪文最強格のカード。基本どの対面にも刺さり、天門対面などには強引に突破するために稀に攻める時に使用します。
 しかし、25弾環境には呪文ロッククリーチャーがそこそこいるため、プロテクションで埋める優先度は中(クロック>DNA>タイマン)。
 先述したように本当は4枚採用したいけど泣く泣く3枚採用。

龍覇M・A・S  3枚

大体1体目はエビデゴラス
今大会大活躍だったため、Q.E.D.のアートアクスタを購入しました

現環境最強ドローソース、エビデゴラスを設置しながら、相手のメタクリーチャーやシステムクリーチャーを手札に返せる優れもの。
 元々は4枚採用していましたが、プロテクション・サークルやブレイン・ストームを採用するにあたって3枚に減らしました。特に問題はありませんでした。

⚫︎界王類邪龍目ザ=デッドブラッキオ

予選7回戦目このカードのおかげで勝ち、決勝進出が確定した

 マナゾーンに5色5コストあれば、好きな時に出せるナチュラル・トラップ。ドラグハートの龍解も防げる。このカードを採用したことで各対面の勝率が少しずつ上がったので、採用してよかったと思います。
 手札に持っておきたいカードであるため3枚採用。

⚫︎龍世界ドラゴ大王  1枚

自分もドラゴン以外出せなくなるの注意!(2回目)

 このデッキ唯一の大型ロッククリーチャー。主にUK対面を見て一枚だけ採用しましたが、他のデッキのクロックや、ウルソフィアケアなどにも使えてかなり便利でした。

⚫︎世紀末ヘヴィ・デス・メタル  4枚

最狂のカード

 このデッキのメインフィニッシャー。全てを破壊し尽くした神。リリィがいる時に投げるとリーサルになります。最速6ターンキル。対面によってはリリィ出せなくても盾0にするため見切り発車します。
 切り札なので4枚採用。

⚫︎龍波動空母エビデゴラス/最終龍理Q.E.D.+  2枚

最強ドロソ
レッドゾーンケアであえて即龍解させることもしばしば

 このデッキのドローソース兼最後の押し込み要因。3枚はいらないと判断し2枚採用。基本これを2面並べて、プロテクション・サークルを回答にしていく動きが鉄板。HDMの後に龍解させるとリーサルが組めるので覚えておくといいかもしれないです。

⚫︎真理銃エビデンス/龍素王Q.E.D.  2枚

使うことがなかった
ひっくり返せたら強い(なお条件)

 枠あいたからとりあえず1枚採用してます。一回も使いませんでした(笑)。

⚫︎龍芭扇ファンパイ/龍脈空船トンナンシャーペ/亜空艦ダイスーシドラ  1枚

黒単、トリガーロージア系には使うかも
このまま置くことはほとんどない
龍回避ないのかぁ

 対墓地利用デッキに使う時があります。基本的にラグがあるため適切なタイミングで投げないといけないカードなのかなと思っています。一枚採用です。

 他のドラグハートはブラフなので割愛させていただきます。

対面相性

リリィHDMの現環境における相性です。

有利:特になし

微有利:黒単ヘルボロフ、5cコントロール、ヘルボロージア

五分:5cMAS、白単連鎖、モルト王、天門、ドギラゴン、白単サザン、巨大エグザイル

微不利:赤青UK、緑単サソリス、赤単、赤白バイク、モルトNEXT

不利:特になし

 …実はそこまで環境の通り自体は良くありません。
 しかし、これが初見となると話がかなり変わってきて、それぞれの有利不利の枠が一つずつ上がり、こうなります。

有利:黒単ヘルボロフ、5cコントロール、ヘルボロージア

微有利:5cMAS、白単連鎖、モルト王、天門、ドギラゴン、白単サザン、巨大エグザイル

五分:赤青UK、緑単サソリス、赤単、赤白バイク、モルトNEXT

微不利・不利:特になし

基本的な動きは単調で、リリィを立ててHDMを投げて強引にリーサルを取りに行くデッキです。見かけによらずかなり脳筋な動きをします(笑)。それでいて最低限の受けはあるため、山札を13枚以下にして盤面を荒らしながら突撃することもできます。

 特に今回は一発勝負のオフライン大会であったため初見殺し要素を盛り込むと、相手の予測を裏切った行動が取れて相手のミスを誘発できます。
 今回はこれが功をなしカジュアルプレイヤーである私でも、7戦6-1、予選10位で決勝ラウンドに進むことができました。

予選5位通過の方に負けました
めちゃめちゃ強かった


とても良いデッキですので、後数日しか使えませんが、是非握ってみてください!

最後に

長文で、拙い部分も多々あったと思いますが、ここまで見ていただき本当にありがとうございました!次はまたデュエプレ選手権に出場するため、ランクマを頑張りつつ、オンラインの公認大会にも機会があれば出てみようかなと思います。
 これからもぼちぼち活動していきますので、どうかよろしくお願いいたします。
(追記:誤字脱字や質問等ありましたら是非気軽に連絡してください!)

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