陽性者の日常


 「えー、はい。マジですか。はい。陽性。じゃ外出は?無理。ですよねはい。10日間待機と。はい。バイトも……無理ですよねそりゃそうっすよねはい。」

 2022年7月17日午前10時23分、買い物をしようとアパートから出て鍵を閉めようとしていたところで掛かってきた電話でのやりとりだ。

 私はその先日発熱と咳の症状があり内科の病院へ受診を受けに行っていた。その時念の為にとしてもらったPCR検査でコロナウイルス陽性が確認されたのだ。普段は即日検査結果が出るものだがこの時は予約もしておらず土曜日であったため検査結果が知らされるのは通常より遅れることとなったのだ。

 ひとまずバイト先の雀荘に休む旨を伝える。待機期間のうちあった5日間約40時間のシフトを交代してもらわなければならない。

 大学の授業などどうせ健康体でも無断欠席してるんだから後回しで構わないがこれは真っ先に上司に伝えねばならない。大学生と社会人では守るべきマナーが違う。
 多分ウイルス貰ったのバイト先だけどそれは気にしないことにした。

 厚労省の接触確認アプリCOCOAに陽性者登録して県や市の支援サービスを申請。貰えるもんは貰っておけ。申請の翌日インスタントの味噌汁やらレトルトカレーやらが入ったダンボールが2箱届く。とりあえずは部屋にあったマルタイの醤油ラーメンを食べて過ごした。食糧には困らなさそうだ。

 また、

 このような酸素濃度を測るオキシメーターという機械も貸与された。これで毎日体内の酸素濃度を測って提出しろとのことだ。息苦しい時には85%くらいになることもあった。

 そういった一連の手続きを済ませた後母親に連絡する。17日には母は長野へ旅行すると言っていたので伝えるのは後回しにしたのだ。私が陽性だと言えば気が気でなくなって旅行どころではなくなってしまうタチなのは分かりきっていた。父親にはその日のうちに既に伝えていた。

 その翌日。使っていたノートパソコンが故障した。修理に出したいが何しろ外出禁止だ。これではせっかくsteamで買ったモンハンの新作もできないし授業も受けられない。どうにもならないが仕方がないのでずっとファミコンミニで遊んでいた。あとネット麻雀の打数もとても増えた。

 基本健康な時は家に引きこもってゲームして仕事で麻雀をする。

 今は基本家に引きこもってゲームして麻雀もする。

 おそらく自宅療養の患者の中でトップクラスに呑気に生活していた自信がある。

 続きは完治したら書く。

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