MeeTooみたいな何か(応答の中休み)

ここに『MeeTooみたいな何か(応答の前編)』の続きとして、組織のあり方を書くと言いましたが、当時を振り返ると心的負担が大きくて筆が進みません...。なので、心的負担を軽くする意味も込めて、応援をしてくれた人たちのことを書こうと思います。これから告発を考えている人の参考になったら嬉しいです(あまり明るい締めくくりではないですが...)。

前回、noteで告発した後に、知らない人たちから気軽な感じで誹謗中傷がありました。中傷の内容は、主にミソジニーと人種差別です。

そして、私の知らない人たちからハラスメントの連絡もありました。
大学人、アートの業界内でハラスメントを受けていた/受けている人たち
私が名前を出した3人の誰かからかつてハラスメントを受けた人たち

彼/彼女たちは、私に代理告発を求めているわけではないし、仮に私と一緒に告発するとなると、中傷も一緒に受けなくてはいけないので、これ以上、彼/彼女たちを苦しませたくないので、私は話を聞くだけにしました(名前も内容も口外していません)。苦しみの中にいて連絡してくれたのに、私にはどうすることもできなくて心苦しく思っています。みんなの心の平穏が簡単に来るとは思えませんが、少しでも少なくなるような方法を知りたいし、あれば共有したいと思います。

次に、応援をしてくれる人たちも現れました。これらの応援や支援は私の心を助けてくれ、安心感をもたらしました。ありがとうございます。私の知人たちの行動に対する感謝を書きたいですが、党派性と思われると申し訳ないので、ここには書けません。ごめんなさい&本当にありがとうございます。なので、私と面識のない/なかった人たちのことを書きます。

北田さんの元生徒さんたちからの支援
告発した後、しばらくして、私の知らない人たちから連絡が来ました。かつての北田さんの生徒さんだった人たちです。彼らは第三者検証委員会を作るように大学に要望書を提出し、北田さんに説得するために会ってくれました。見ず知らずの素性もわからない人間(私)のために、北田さんと同じ業界の人たちが、自分の不利益になるような行動を、顔もだし署名入りでしてくれたのです。とても勇気のいることだと思います。しかし、北田さんは彼らの要望は聞き入れず、北田さん自らが立ち上げる検証委員を作る(作った?)ということを、私は彼らからの報告で知りました。

私の交流のなかった善意の人たちからの支援
またそれと前後して、別の人たちからも連絡が来ました。こちらも第三者検証委員会を作ってくれるように大学に要望書を出そうというグループです。この人たちからは要望書を出す前に連絡がきました。署名を集めて要望書を出す予定だと言うので、私は、私に関係のなかった人たちがこのように動いてくれるのを、嬉しいのと、私は見ているだけで何もできないのが申し訳ないのとで、せめて署名がたくさん集まるようにと私の知人たちに、署名のお願いをしました。

その途中で、署名活動が北田さんの耳に入り、署名グループに北田さんから「名誉毀損で訴える」というような内容のメッセージが送られてきたそうです。今までこのような署名活動をしてきた人たちではなかったので、びっくりして、集まった署名は白紙になりました。

署名活動を思いつき始めたのは彼/彼女たちですが、積極的に署名のお願いを広めたのは私です。北田さんが訴える相手は、その人たちではなく、私です

私は当事者で署名グループではないので、誰が署名をしたのかを把握していませんが、これを読んでいる中にも署名をしてくれた人がいると思います。せっかく行動を起こしてくれたのに、どこにも提出されず申し訳ないです。

メディアの人たち
ある雑誌編集者から連絡がきました。その出版社ではかつて北田さんと仕事をしていて、今後もするかもしれないので、もし今回のハラスメントの内容が本当なら仕事内容を見直さないといけない(フェミニズムの件については仕事を依頼できないなど)ので、確認をさせてほしいと言うもので、私のスタジオまで確認に来ました。「他の出版社や編集者の人たちも確認にきましたか」と聞かれましたが、私がハラスメントの確認をされたのは一社だけです。

その編集者からは、今回の件を記事にすることで北田さんからの攻撃は抑えられるが、記事にするとミソジニーと同じ境遇にいるハラスメント側から執拗に叩かれるので心的負担がとても大きい、慎重になった方がよいという助言をいただきました。

また人づてに、新聞社から記事にしたいが「大学教授のハラスメントは日常茶飯事で新奇性がない/読者が中年男性だから読みたがらない」という理由で通らなかったという話も頂きました。「新奇性を感じない」ことを記事にすれば良いのにと思いましたが、読者層の方が主な理由かなとも思いました。

いろいろな人たち
北田さんが裁判をおこしたら協力すると言ってくれた弁護士の人、地域系アートについての論文で長期戦をするなら協力すると言ってくれた研究者の人、実名で声を上げてくれたアーティスト、知っている人で熱心に動いてくれた人たちもいますが、特定されると困るので書けなくて(感謝を表せなくて)残念なのと、書き忘れてしまっている人もいるかもしれませんが、私が告発したことで、いろいろな人たちが声をかけてくれました。それはとても心強いことだと思います。

しかしいろいろと動いてくださっている人たちがいるにも関わらず、現状は何も動いていません。

最後に。ハラスメントの証拠を持っている人からの支援
大学に直接、私がハラスメントを受けていた証拠を提出してくれた人もいました。この人は私の事前/事後連絡なしに、大学に証拠だけ提出してくれていました。これを資料としてまとめて提出するという膨大な作業時間を、見ず知らずの人が、見ず知らずの私のために、なおかつ、私に知られないように行ってくださった事に感謝をしています。

なぜ私がこの事実を知っているのかと言うと、大学が事務手続きの間違えで証拠の資料を私の手元に送ってきました。すぐに事務から書類を破棄するようにと連絡がきましたが、私は中身を見てしまいました(すみません...)。しかし具体的な証拠が提出されても、やはり現状は何も動いていません。それが大学の構造なのかも知れません。

この見ず知らずの人がまとめてくれた資料にプラスして、私の資料を提出すれば、少しは動きがあるかも知れません。北田さん(と井上さん)は学環長から厳重注意など受けるかもしれません(受けないかもしれません)。しかし、私は北田さんたちの進退にはあまり関心がありません(彼らを潰してやりたいという欲望はありません)。

私は、大学の構造を実社会に当てはめ、その社会の人々に、大学の構造で振る舞うように促し、大学人の権力を強めようとしないで欲しい、そうやって社会を構築しないでほしいとは強く願っています(この考えが行き過ぎると、社会学者はフィールドワークに行くな、アーティストも地域に入るなよという話になってしまいますが)。

次は、前回予告したように、応答の後半として、いくつかの資料を見つつ、本題の(大学の)組織のあり方について書こうと思います。

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