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赤んぼ遠近法(時間編)

スーパーの帰り道、抜けるような青空に誘われ久しぶりに大きな公園を通って帰る。この公園は「赤んぼ遠近法」というマンガを描いたときモデルにした公園なので、同じ場所を写真にとったらおもしろいかもと描いた場所を探したが、結局よくわからなかった。それもそうで、描いたのが四半世紀前なのだから木はあのころからずっと高く大きくなっている。台風で倒れた木もある。赤んぼはとうに成人し、私はあのころ手伝いに来てくれた母や、関西への単身赴任中に出産を見舞ってくれた父と同じくらいの年齢になった。
自分が母であることについて考えることが少なくなった。「自分がちゃんとしないと死んでしまう子供」はいない。

「クレイドル」を描いている途中「ヒリヒリ感がともなっていない」という感じを持つことがあった。懐かしさのようなもののほうが勝ってしまうような。ぎりぎり間に合ったのか、間に合ってなかったのか?それは読者さんが決めることで私にはわからないけど。

やはり大きく育った沢山のきんもくせいが、広い公園のどこにいても香る。スーパー帰りのステロタイプのように、買い物バッグからネギと大根をはみ出させながら帰った。

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