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石川《白米千枚田》【ル ミュゼ ドゥ アッシュ(七尾);レスピラシオン(金沢)】

8月末に石川県を5日間ほど旅行してきました。 能登空港(のと里山空港)から入ってレンタカーで能登半島をぐるりと回り、金沢でも美食を楽しみ、とても充実した旅でした。 お天気に恵まれたこともあり、美しい自然が特に印象的でした。 その全てについて書きたいところですが、スペースの都合もあり、ところどころかいつまんで記すことにいたします。

能登半島を旅するにあたって

のと里山空港を利用して、能登町内の指定の宿(ほとんどの宿が指定されています)に泊まると、1人あたり¥2,000(子供は¥1,000)が(航空運賃として)助成されます。 また、のと里山空港でレンタカーを借りて、能登町内の指定の宿に泊まると、1台あたり¥2,000が(宿泊費用として)助成されます。 2人でレンタカーを借りて能登町内に宿泊したら、計¥6,000を補助していただけるわけです。 のと里山空港の利用は、往路だけでもOK。 1日2往復の羽田とのフライトを維持するための自治体の努力なのですが、これは旅行者にはありがたい制度ですね。 どちらも、手続きは宿泊先で指定の書類を提出するだけで、一度に済むので楽ですし、助成金はその場で支払われます。 また、穴水町、珠洲市でも同様の助成があります。 首都圏の皆様は制度を活用されてはいかがでしょうか。

能登町HP内の、のと里山空港利用助成制度の案内はコチラです⇩


能登町HP内の、観光誘客促進宿泊助成(レンタカー利用)の案内はコチラ⇩


白米千枚田

さて、まずは能登半島の西側、輪島よりもさらに先にある白米千枚田(しろよねせんまいだ)へ。 奥能登きっての景勝地です。 なお、一番上にある海の写真は、輪島からここへ移動する間に撮ったものです。 

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この場所は有名なので、ご存知の方も多いかと思います。 海沿いに段々畑が広がる様子は、珍しく、美しいですね。 緑と青のコントラストも素敵。 稲の収穫の時期になったら、どんな色になるのかな?

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白米千枚田は輪島から車ならすぐなのですが、輪島の朝市通りにあるカフェを1軒ご紹介したいと思います。 雰囲気も良く、飲み物やかき氷がおいしい『KALPA』というお店で、輪島塗の食器類や小物も購入できます。

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◇アイスコーヒー (¥450)

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丁寧に淹れて下さったコーヒー、おいしかったです。


ル ミュゼ ドゥ アッシュ

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次に、七尾市の名倉温泉にあるケーキショップ兼カフェの『ル ミュゼ ドゥ アッシュ(LE MUSĒE DE H)』へ。 ここは、パティシエの辻口博啓氏がオーナーで、全国に数ある彼のお店の中でも特別なもの。 なぜなら、辻口氏はこの七尾市のご出身で、ここがお膝元なのです。 これもまた有名な、旅館「加賀屋」からすぐ近くに設けられたル ミュゼ ドゥ アッシュには「辻口博啓美術館」も併設されています。 海がすぐそこに見える席でスイーツを賞味。 ケーキは同行者さんとどれにするかかなり迷いましたが、上の写真(ごく一部)にある桃の「ガブリ ペシェ」だけはすぐに決まりました。 

◇ガブリ ペシェ (¥935 ; 税込)

◇クラシック ショコラ (¥440)

◇石焼きブレンド (¥468)

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ガブリペシェは、桃を丸ごと使っているだけあってさすがにお高めでしたけれど、このかわいくて迫力もある見た目には惹かれてしまいますね。 桃はちょっとピンク色にお化粧(?)されています。 

クラシックショコラは、辻口さんと言えばやっぱりショコラかと思い、選びました。 ずっしり感はなく、ふんわりしているのですが、風味が良くおいしい。 誰にでも好まれるように、軽やかによくできています。 

コーヒーは、このお値段でお替わりができて、お得。 15分に1回くらいお替わりを注ぎに来て下さいます。 このコーヒーはクリームを入れると特においしかった。 ついてきた小さなフィナンシェも大変美味でした。 

ガブリペシェの中は、下の写真のようになっていました。

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やわらかすぎない桃に、シャンティ(クリーム)が合います。 シャンティはほんのり桃風味。 下にはサクサクパイ、アーモンドクリーム、カステラがあり、とてもよく考えられていました。 おいしかったです~!

さらに、食いしん坊なので、追加でシュークリームもいただきました。

◇辻口シュー (¥220)

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このシューもおいしかった! クロッカンはガリッとパリパリ、クリームはツインっぽくなっていました。 辻口さんの名前がつけられているだけのことはあると思いました。 これで¥220というのは、嬉しいですね。


七尾湾の穏やかな風景を見ながら、たくさんのお菓子をいただき、ずいぶんのんびりと長居してしまいました。 辻口さんのケーキは昔から好きなのですが、万人受けする感じで、なおかつ本格的。 これだけお店が繁盛するのも分かりますね。

 

レスピラシオン(respiración)

最後は、金沢にあるモダンスパニッシュのレストラン『レスピラシオン』についてです。 今回、お友達と4人で初めて訪問しました。 明治初期にまで遡る歴史を持つ町屋を修復した、素敵な空間です。 オープンは2017年。

コースは2種類ありましたが、お友達が高い方の¥18,150(税10%・サービス料10%込)のものを予約して下さっていました。 長くなりますが、そのコースの全品を記してみたいと思います。 

BOLLINGER  / Special Cuvée (グラス ; ¥1,815 ; 税・サ込)

私はシャンパーニュが大好きなので、グラスでボランジェをいただきました。 ワインもいろいろ面白いものがあります。 

◇インパクト 甘海老

オープン当初から作り続けているという品で、丸いタルト生地の上にこんもりとたっぷりの甘海老。 身がたっぷりあり、モダンスパニッシュなのですが、分解とか再構築をしたという感じはありません。 海老の頭部分の味噌の風味が良く、とてもおいしかったです。 タルト生地も美味。

◇へた紫茄子 / 蛤

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茄子と蜂蜜を使ったアンダルシアの郷土料理がヒントだそう。 ヘタ紫茄子は加賀野菜で、甘さが普通の茄子の2倍あります。 チーズのソース、蜂蜜、アクセントのバジルが添えられ、塩味と甘味のコントラストが秀逸。

◇アロスネグロ さざえ / 能登牛

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アロスネグロと言っても、イカ墨は使わず、さざえの肝で炊いたリゾットです。 しっかりした味でおいしかった。 奥の白い器の中は、ガスパチョに能登のハーブの香りを移したもので、仕上げには香川産オリーヴオイル。

◇パンとオリーヴオイル

写真は省略しましたが、パンは自家製で、うどん粉と能登の塩を使用しています。 オリーヴオイルはアウボカーサ(AUBOCASSA)でした。

◇ピルピル

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𩺊(あら)という、クエに似ているともいわれる魚です。 とうもろこしが甘い! 左側にある泡は、生ハムととうもろこしの芯から香りだけをつけています。 上にはベトナム産カカオ。 このレストランのお料理は、どれも塩がしっかりしているから、味がボケなくて良いです。

◇能登鮑

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5時間ゆっくりと火を入れた鮑、やわらかかった。 丸オクラ、地元金沢で採れたオクラ、2種類のオクラを使っています。 上の泡は、鮑の肝風味。

◇農口研究所 / 羽咋自然米

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兼六園をイメージした素敵なプレゼンテーションで出てきたのは、お口直し。 下部に山梨産の桃と、ソルベ風のお米のデザートがあります。 ほんのりミルク風味でした。 泡はかなり日本酒感がありました。

A. Levasseur / Extra Brut (ハーフグラス ; ¥968 ; 税・サ込)

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大好きな銘柄のシャンパーニュがあったので、追加してしまいました。 もうけっこう飲んでいたので、特別にハーフにしていただきました(でも、最初のボランジェと同じくらい注がれているけれど)。 昨年フランスでメゾン訪問までした「アルベール・ルヴァスール」です。 素晴らしいコストパフォーマンスで、やっぱりおいしい~! ムニエ主体の作り手さんなのですが、このExtra Brutはピノ・ノワール100%。 Brutと違い、ドサージュが5gと甘すぎないのが特徴。 なお、お向かいの席だったお友達も昨年このメゾンを訪問されたそうで、その偶然に少しびっくりしました。

◇保水 甘鯛 / アスパラガス

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甘鯛はもちろん地物。 鱗焼きなのですが、ガストロバック(減圧加熱調理器)で保水性を高めたそう。 甘鯛はしっとり仕上がっていて、この調理法がうまくいっていると思いました。 アスパラガスは珠洲産。

◇イベリコ豚 / ビーツ / イチジク

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メインはイベリコ豚でした。 ドングリだけ食べて育ったというアレです。 2時間ローストされたイベリコ豚にはビーツのソースが添えられており、塩がしっかりしてありました。 奥にある肉団子が非常に美味!

◇能登牡蠣

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4人分のパエリアがきました~! この後、取り分けて下さいました(牡蠣は2つにカットされ、柚子が振りかけられたアリオリソースが添えられました)。 この牡蠣は、この日最高の食材だったと思います。 本当においしかった。 お米は水分が多く、スペイン風(本場のパエリアはかなり水分があります)に、うまく炊けていました。 

◇フィデウア

メニューにはないサービスで、フィデウアが出ました! これがまた、非常においしかった。 上には北海道産の雲丹が乗り、それがとても良質でした。 パエリア、フィデウアと〆が続き、4人ともテンションMAXに。

◇思い出 クララ レモン / ビール

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始めにメニューを拝見した時から「クララ」が気になっていたのですが、レモンスカッシュ+ビールのカクテルのことなのですね。 梅シェフがスペインにいた頃、よく飲んでいた思い出のカクテルだそうです。 割と甘い仕上がりのデザートで、レモンの酸味がほのかにフワッと感じられるところがちょうど良かった。 ビールの風味はあまりありませんでした。 

◇カラヒージョ ブルーベリー

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これもカクテルがモチーフのデザート。 カラヒージョはエスプレッソ+ブランデーの温かいカクテルです。 ブランデーがきいていて、大人味。 

◇小菓子とコーヒー

写真は割愛いたしましたが、小菓子は4種類ありました。 中でもキャラメルミルクのショコラが大変おいしかった!

 

レスピラシオンでのディナー、後半に一段と盛り上がり、満足でした。 モダンスパニッシュらしく、泡を多用したり、ガストロバックを使った調理をしていたりしましたが、それだけの見かけ倒しではありません。 食材を生かし、塩をうまく効かせた、地に足のついたお味です。 目の前で仕上げて下さるお皿も多く、視覚的にも楽しめました。 

お店から、おみやげにポルボロンというホロリとしたお菓子をいただき、帰路に。 レスピラシオンには、またこの11月にも伺う予定なので、秋の食材を使ったお料理が楽しみです。  

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