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「二人の神さまからの伝言」

私が敬愛する精神科医 佐々木正美先生の訃報を知ってもう4年が経ちました。
生前一度しかお目にかかったことの無い先生に
もっと直接お会いして学びたかったとつくづく後悔します
そして何故こんなにも佐々木先生に惹かれて止まないのかと思うと
私の大好きな義父に似ていたからだと気が付きました

しかも、義父が生前佐々木先生とは先輩後輩の間柄で
同じ合唱部だったとちらりと聞いたことがあり
その真偽を確かめる術もないまま今に至っているのですが、少なからぬ縁を感じていたのです

もう子育ては卒業したのですが時折、佐々木正美先生の本を読見返しています。
今回手に取った本は私が先生を知ることとなった
「子どもへのまなざし」のシリーズの中の第三弾「完 子どもへのまなざし」という本でした。

この3冊目を何故読み逃していたかというと
2冊目と3冊目の間には10年のブランクがあり
子育て本としては子どもは既に大きくなり
読むタイミングを逸していたのです

何故10年たって改めて?という疑問も残ります
目次をみて、なるほどと思いました
この本の半分が発達障害のことについて書かれていました

この3月まで勤めていた「滋賀マザーズジョブステーション」にも
私が相談案件に関わる中だけでも
子どもが発達障害の疑いがあると
悩みを抱えて相談に来るお母さん方は少なくありません

育児の相談となるとキャリアと違うと言われるかもしれませんが
母親の人生において仕事をするにしても
子どもとの関わり方は切っても切れないのですから
私の中でもしっかりとこのことに関して学びたいと思うにいたりました

読み進めていくと佐々木先生はこれまでと違って
少し厳しい口調で書いてありました
それくらい社会に憤りを感じ警笛を鳴らしたいと思ったのでしょう
その姿は、教育界でひとり校長として戦った義父の姿と重なります

その憤りも、自分の不遇や不満ではなく
どこまでも子どもたちを守るという信念に従ったものでした
この本も発達障害の特性と傾向を
具体的に記しながら言葉は慈愛に満ち溢れています

そしてその傾向を持ち、生きづらさを感じている人を
無理に変えようとするのではなく
むしろ変わらなければいけないのは
その取り巻く人々 支援をする私たちだとはっきりと書いてあります

今回は図書館から借りてきましたが
ずっと手元に置いて何度も読み返したいと思う程の内容と豊富な事例に溢れていました

改めて、良書は必要な時に私の前に現れ
教えてくれることに感謝です。

そしてこの本のあとがきのようなところで見つけたのです
義父と同じ滋賀県立日野高等学校に通っていたという一文を
1学年違いの先輩後輩
お互い履く靴も事欠くほどの貧乏で
どこか連帯感があったのかもしれませんね

そんなこんなの取るに足らない小さな事件ですが、私にとって、この本は天から見守っている二人からのメッセージのようにも思われ
自分の与えられた使命を感じずにはいられませんでした。

障害があるなしに関わらず
― 私たち人間は誰もが 自分の周辺に
  良き理解者を得なければ 幸福になれない ―
この先生の言葉を再度噛みしめてみたいと思います

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