上機嫌からあるがままへ

「上機嫌は義務である」
そんな「幸福論」の言葉を支えに40代を生きて来たエッセイストの岸本葉子さん

ずっと以前から彼女の愛読者でした
東大卒というクレバーな頭をもちながら
ちっとも、えらぶらず
等身大の自分を素直にそして的確に表現する
その文章が大好きで
文庫本になったエッセイはあらかた読んでいました

その彼女ががんになって以来
自分と揺れる心の問いかけが続きます

「明るくしていれば免疫力が上がる」ときけば
形からでも始め、心はそのうちついていくと
口角を上げるトレーニングをし

目の前のやるべきことをやりこなすことで
自己評価をあげ
だから、大丈夫と自分に言い聞かせる
まさに、上機嫌でいるための強化月間

それが、50代になって少しずつ変わってきたというのです
「上機嫌でい続けようとすることは
ひとつの心に執着することであり
かえって澱や濁りを生んでいるのではないか」と

上機嫌に関心をしぼらないことも
不機嫌に無関心でいることも
どちらも大事
心は流れる水のようで
滞らず常に動いているからこそ澄み切った清流が生れるのだと

今、彼女は「上機嫌からあるがままへ」と
素直に思えるようになって
とてもこころが楽になったと話していました
自分のおもうがまま転ずるこころを
もう少し信頼してもいいかなと思えるようになったとも

ここに、私なりのなんの解釈も
付け足しもいらないほど
100%受け止めることが出来ました

インタヴュー記事に載っていた
彼女の表情は本当に自然で
今までで、一番輝いていると素直に思うのです

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