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人生の仕上がり

「順風満帆な人生は仕上がりが悪い」

今朝、新聞を開いた瞬間に飛び込んできた言葉でした

これは新刊本の紹介のキャッチコピーの一説

...

アナログのメディアの面白さはここにある

自分の目的とする情報のちょっと横にある宝物を発見する楽しさ

知りたいと言ってピンポイントで言葉が出てくる電子辞書ではなく

その周辺の知識を拾いながらゆるりと理解を深める

紙の辞書のよさの違いがここにある

今日一日を通して結局この言葉だけが心を掴み

私の胸の内にストンと入ってきた

良くて当たり前誰もが羨む

「順風満帆」な人生に何をケチをつけるというのだろう

でも、仕上がりが悪いらしいのだ

・・・そうかもね

人は飢えるからこそ欲望に向き合い

淋しいからこそ人を求め

傷つくからこそ相手を思いやれる

コンプレックスは等身大の自分を見つめ直し

無力感はありのままの自分を受け止める勇気となる

寄り道や一見無駄と思えることが

心の余裕につながっている

一滴も無駄のない人生があるとすれば

完璧すぎてささくれだったところもなく

人の気持ちにも引っかからないから

完璧すぎるがゆえの不完全さがあるのだろう

不器用でも前に進むことしか知らない私は

随分回り道したり、時には他人を傷つけながら進んできた

だけど壊してはまた組み直してきた作業の中で

なかなか揺らがない土台はできてきたように思う

見てくれの仕上がりはイマイチかもしれないけれど

それが返って私らしいかもそんな風にも感じられる

最後に起きればいいんだよね


出来の悪い子ほど可愛いというが

ツギハギだらけの仕上がりが案外愛おしく思えてきた今日この頃

こうして何気ない一節で想いを巡らしてくれた本に感謝

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