見出し画像

涙の効用

今日は様々なところで涙と遭遇しました
ある人は思いが叶えられた嬉しさで涙ぐみ
また別の女性は今の置かれた境遇に涙し
思いもかけぬ突然のお別れに涙する

ひとは心の淵いっぱいまで
感情の露を溜め込むと
表面張力で張るだけ張って
一気に決壊を起こしてしまう
そこはもう制御不能の領域
一度 淵から踏み出してしまえば
落ち着くまで成すすべがない

涙には何の作用があるのだろう
神様は何故に人間に涙を作ったのか

きっと神様は涙を
浄化のアロマとして作ってくれたのだ
人はもともと欲張りな生き物だから
手元にあると
それをつい溜め込もうとしてしまう
それが幸せなことであれ
辛いことであれ
頑張ってきたことであれ
こころの澱として溜まり物事の流れが滞ると
そこに腐敗が生まれ、新しいものは何も生まれない
両手にモノをいっぱいに手にしていると
目の前の新しいものを掴むことが出来ないのだから

だから人は涙で流す
感情を上手にその流れに乗せて
その涙の溢れゆく勢いと共に
無意識ながら自分の抑えきれない想いを
手元から解き放そうとする

その欲から離れてしまえば寂しさを感じながら
どこかでさっぱりとするから不思議
何も無くなった空間に
新しい空気が入り込み
大きく深呼吸をすれば
再び細胞が生き返る

だから涙を流そうよ
訳なんて何も考えなくていいのです
流したあとにきっとわかるはず
人は失って初めて
また新たなるものが見えるのだから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?