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スフィンクスの答え

自分の中に潜む子どもの部分
こうしてこれまで生きてきて
いやここまできたからこそ
まだ心根にやんちゃな私が残っていることに
呆れながらも楽しんでいる自分がいる

夢中になってボールを追いかけてみたり
波に浮かぶボートにしがみついて急流すべりを楽しんだり
身体を動かして汗をかいては
相好を崩して無邪気に大笑いする
そんなひと時は
過去も未来もないまぜの私になって
素の私が顔をのぞかせる

明日の仕事も予定も一旦忘れて
今ここに 一番そばにいたい人と肩を並べる幸せ
貴方の困った表情をもう一度見たいからと
小さないたずら仕掛けては
こっそり柱の陰から様子を伺うの
寄せては返す波音に戯れて
傍らでスヤスヤと眠れる喜びを享受する

安定した飛行を続けるのなら
気球に積まれた砂袋のようにある程度の錘や 
船の錨が必要なのだろうけど
気分は既にインディジョーンズ
この勢いそのままに
ツタからツタへと渡り歩き
全ての砂袋を大草原にほおり投げて
太陽めがけてぐんぐん高度を上げたくなるのです

ほんの10年前ならば
積み上げてきた過去がもったいないと
少々のやせ我慢を続けては
造り上げてきた自分の理想に我身を縛っていた
自分である前に親である私をいつも優先させていた

だけど子どもたちも大人になり
もうその先の結末が
見えてきたような気がしてきたから

カウントダウンも予想もつかぬ未来じゃなくて
ひとつひとつ折る指先が大切に思えてきたから

ここからはどう人に評価されるかより
自分が何を一番にしていきたいのか
本当の満足はどこにあるのかと
真摯に問い続け、その答えに忠実に生きたいと思うのです

スフィンクスの神様は
過ぎ行く人々を難解な質問で困らせていたけれど
人は4本足2本足3本足を経て
最期はまた赤ちゃんに戻っていく

吾もまた貴方と過ごし 幼子の時のように
ただひたすらに無条件に人を欲し、愛する
そういう境地にそろそろたどり着きたくなって来たのです

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