葉脈
激しい雨音で世界が遮断されたような
昼下がりの午後
貴方のことを想いながら
考え事をするには十分だった
「ダ・イ・ス・キ」
一つ一つの言葉を
舌の上で転がしてみるの
囁くようにつぶやけば
漏らす息と共に
甘さだけが耳元に残る
溢れ止まないこの想いを
葉っぱの上できらめく水滴のように
葉脈を辿って集めては
一気に飲み干してしまいたい
首筋をそっと指でなぞれば
喉元は大きくゴクリと喉を鳴らした
誰にも言えない秘め事は
自分の中でリフレインを繰り返し
響鳴しあいながら
己の確信だけが増していく
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