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痕跡

記しておきたくて
残しておきたくて
だけども誰にも分からないように
秘密の暗号をそっと手帳に載せるのです

こんな夕刻は殊更に人をおセンチにさせてしまいます
ひと月見開きのスケジュールの中に
どれだけあなたの痕跡を置けるのでしょう
その印ひとつで
あの時の情景が克明に浮かび上がります
むしろ写真より
単純な数字の羅列の時刻表の方が
思い出をまざまざと蘇らせてくれます

塀の上を歩くように線路をなぞってきました
危うさを覚えながらも
終着駅に到達するまでこの歩みは止められないのです

きっとこの移動距離の積み重ねが
貴方への想いと積み重なりながらリンクしていくのです

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