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未来の一歩は最初が肝心❗️

私が初めて大学を卒業して就職した会社。
今はもうその会社は解散となり存在しない。
京都にある20人足らずの小さな不動産会社だった。

全て男子ばかりを入れる予定だったのに、男女雇用機会均等法ができ、募集要項に記載出来なかったため、何故か私が潜り込んでしまったのだそう。

どんな仕事をさせたらいいのか考え倦ねた会社は、入社したばかりの新人の私に採用担当を任せることにした。先月まで学生として机の向こう側に座っていたのに、今日から学生に採用担当者として会わなければいけないことに。私たちを採用してくれていた営業課長は、兼任を解かれやれやれと言わんばかりに外を飛び回っている。

それがね、とっても楽しかったんですよ。
初めての仕事、右も左も分からないのですが、小さな会社だからその上の上司は即社長。
無謀にも社長に採用費3000万の予算を提案し出してもらうものの、結果を出さなければいけないという緊張で腹膜炎をおこし入院する始末。
年齢的に殆ど変わらない駆け出しの女子社員を学生はどう思っていただろう。

それでもあの当時、私は心からその会社を日本一面白い会社だと信じていた。
でも私にとっては、それはホラでも何でもなく真実だった。
「一流の詐欺師は、自分の言ったことを心から信じている」
「ウソも突き通すと真実になることがある」
その心境に近かった。

ひとりの学生の面接に2時間ぐらい熱く語り、それを何度も重ねていく日々、
純粋で真っ直ぐな彼らは、すっかり私の勢いに乗せられたのか、真剣に日銀とこの会社を天秤にかけ悩んでみたり、大手一流企業を蹴って入社してしまったり、ありえないことが起きていた。

あの頃の自分の熱い思いを起業してからふと重ね合わせる時がある。
未だに、果たせぬ夢を語りながら、心のどこかで「でも、そんな風になるような気がする」と信じている自分がいる。

騙されたのか、自分で自分を騙しきったのか。「仕事は面白い」と初めて歩き出したひよこはこの会社だったから最初の感覚のまま歩くことができた。
好きな仕事は「楽」とイコールではないけれど、どんなに大変でも手を離せない何かがある。
それを共に見つけるお手伝いをしたい、起業支援に関わるのは、この原体験があるからと思ってる。

今度、守山商工会議所さまから登壇の機会をいただいた。先が見通すことが難しい世の中だからこそ、しっかり自分の好きを見つめやり抜く知恵を伝えられたらと思う。


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