First Time
「First Time」 この言葉を習ったのは確か中学1年生の時
「最初」の「時間」がつながることで「初めて」となると知り
英語って面白いな、と夢中になった
13歳の春はその単語に象徴されるように何もかもが初めてだらけの連続だった
小学生とは違う
子どもとよばれることに少し苛立ちを覚え
さりとて大人の女性と言われると気が引ける
そのころからいつもふざけあっていた男友達の少し匂いが変わり
靴箱に入った殴り書きのような手紙を見つけてからは
放課後二人で歩く学校の坂道は特別な時間になった
家と学校だけの世界から行動範囲も少しづつ広がり
電車に乗っていきたいところに出かけ、喫茶店でアイスコーヒーをシロップ抜きで飲む行為が、少し背伸びできた気分になった
やることなすことドキドキで明日を迎えることが楽しみだったあの頃
こうして体験を重ねるたびに
大人の階段を一段一段駆け上がっていたんだね
あの当時は大人になることがゴールだと思っていた
だけど未だに大人になれない私がいる
今、あなたと綴る出来事はすべて「First Time」
手を重ねあい、KISSを交わしそのたびにこれまでと違う自分を発見するの
昔のままの私が顔を覗かせて喜んでみたり、拗ねてみたり
「First Time」は青春の特権だと思っていたけど、ちょっと違う
誰もがこころの底に眠っている子どもの私がいる
時々取り出して、日向ぼっこさせてみたら
同じことの繰り返しだと思い込んでいた日常の景色が変わり
私はいつでも初めての恋のようにあなたに向き合える
「First Time」は私の中にいまでも詰まっている
素直な自分を認めてあげたらいいだけ
気が付けばこんな簡単なこと
初めての出来事が無くなったわけではない
これからの人生はすべて「初めて」の出来事なのだから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?