SUNNY 強い気持ち・強い愛
ミニスカ、ルーズソックスにラルフのカーディガンをふわっと着て茶髪のコギャルたち。私は彼女たちの世代を見て「なんなの?変な格好!」と思っていた、少しだけ年上の世代(でも、うちのクラスにもコギャルの先駆者みたいな子も居た)。年齢にしたら4〜5歳は年下の子たちだけれど、彼女たちも年を取って40になり、私達とさほど変わらない年齢になっている。
そんな、40になった彼女たちと、高校生の頃の彼女たちの話が交錯していくストーリー。阪神淡路大震災の後の淡路から、コギャルだらけの東京に引っ越してきた「奈美」の大人になったシーンを、篠原涼子が演じている。40になった元コギャルたちはそれぞれがそれぞれに重い環境を抱えていて、それは現実の私達も同じで、まずその描写を見て映画が始まってわずか10分ほどで涙が出てしまう。そんなつもりで見に行った映画じゃなかったのにな、と思いつつも、大人になったシーンの度に、涙が出てしまう(笑)。
そして彼女たちが高校生だった時代も、然り。あの頃私達は20代前半で、まだまだ刺激的な東京で遊びまくっていた時期なので、その風景や音楽が本当に懐かしい。そうだ、安室ちゃんやTRFの全盛期だったあの頃、小沢くんは「強い気持ち・強い愛」を歌っていたし、私は当時もライブハウスに通いまくっていたけれど、渋谷の街にはコギャルがたくさんいて、彼女たちと同じ街で過ごしていたのだ。
あの熱狂と、今の40代の物悲しさ、人生の重さが交互にやってきて、本当に映画が終わるまでずっと泣きっぱなしだった(映画でこんなに泣いたの初めて)。そして小沢くんの最強のポップソング「強い気持ち・強い愛」がどう絡んで来るのかと思ったら、まさかの形で合流してきて、このコギャルたちのグループ「SUNNY」がいつの間にか大好きになっていた。
あの頃の東京を、渋谷を知ってる人、いまの40代の切なさを抱えている人、小沢くんのファンの人、安室ちゃんのファンの人、絶対に見るといいと思います。思いがけずいい映画を見られて、幸せな時間でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?