波が穏やかになっても、僕ら
2泊3日の小旅行の中で、ディノさんは「分かち合った感情や気持ちを忘れないでください」と伝えていた。それを受け、私も現時点で感じ取れた彼(=このnoteの中では、SEVENTEEN HOSHIを指します)に対する想いを書き残しておきたいと思う。ただ、これはあくまでも現時点で私の得た感想であり、明日の朝起きたら変わっている可能性もある。そして、彼のことを1ミリも理解できたつもりもないし、今後も全て理解できるはずもない。けれど、彼の理解に向けて歩む足を止めたくはないという気持ちから、示しておきたい。自分の思考の道の、記録として。
これは、2023年3月に行われたSEVENTEEN in CARATLANDにて、パフォーマンスチームリーダーのHOSHIが最後のコメント及び自作のスローガン等繰り返し伝えていたメッセージだ。
このメッセージを読んで、心の中に凪が吹いたような、優しくて暖かくて、でも少し切ないような気持ちを覚えた。ステージの上では大波を起こして人々を惹きつけるような彼が言う、「波が穏やかになっても」という言葉。虎の視線は「なんでも見える」と常々彼が発しているように、やはり彼の視線の向こうでは「永遠が存在しない」ことを見透かしているようであった。
「終わり」の存在を、彼は知っていると認識したことがある。
2022年の8月号のVOGUE KOREAの記事。「SEVENTEENが目標を叶えた後の、終わりのことを考えたことはありますか?」という質問に対して、彼はこう述べている。
一目彼のステージを目撃すれば、パフォーマンスチームのリーダー・大韓民国最高で最後の虎であることを納得させられる。「ステージ上で死にたい」と渇望するほどのステージに生きる者の、「終わり」。誰よりも真剣にステージに向き合うからこそ、その遠くの未来まで視線を向けることができるのだと、彼の言葉によって確信させられた。「夢を見れば叶う」を、綺麗ごと無しに実現して見せる彼の現実主義的な在り方が、光であった。
「世界最高になりたい」という、8年目でも変わらず貪欲に夢を掲げ続ける彼であるが、一体何がそのような思考に至らせるのか。ひとつの糸口が、2023年2月に公開された[슈취타] EP.4で明かされていたように思える。
この件に関して、当事者ではない私たちが意見できることは何もない。しかしながら、これが彼にとって立ちはだかる大きな壁だということは確実であろう。彼の口からこの話をする場面は他にあまり無く、それはファンを不安がらせないための配慮だったのかも知れない。その優しさにもまた泣いてしまう。
ぽつ、ぽつと彼の口から放たれる言葉達がどれも切実であって。2022年には2、3ヶ月に1度のハイペースでカムバックをするほどの彼であったが、彼の夢を叶えるには、人生における時間はあまりにも短すぎるのかも知れない。「最高になれなくてもベストを尽くしたい」-13人の体がひとつの波になるまで、26本の足がひとつの音を出すまで。天井に水が満ちていく感覚を覚えながら、体調管理やマインドコントロールをしてベストを尽くす彼の姿に、いかにその夢が貪欲で切実なものかが思い知らされる。そうしてまっすぐに向き合っているから、たくさん悩み、もがくのだと。「どんなに綺麗な花も濡れずに、揺れずに咲く花はない」という彼の言葉にもあるように、時に涙に濡れて心が揺れても良いのだと、そう説得させられている感覚が、また救いであった。
この質問は、あまりに核心を突くものであった。
大きくなくても良い。クォン・スニョンという1人の人間が抱いている、最終的な夢。彼と「夢」というテーマは、永続的に結び付けられる重要なものだと考えるが、中でも「クォン・スニョン」として達成したい事柄とはなんなのか。この場面で彼は、こう話した。
「13人で歳をとってもずっと一緒にやりたい」。
「ステージでカッコよくなくなるまで」。
この言葉を聞いた時に、ハッとさせられた。
諸行無常であるこの世界において「永遠」が存在しないからこそ、「永遠」を追求することが一番難しいということ。
そして、彼の最も根幹の部分に、「ずっと一緒にやりたい」という意志があること。
生まれ変わったような気分がした。これからどんなことがあっても乗り越えていけるような。それは綺麗事じゃなく、彼の意志の強さは私自身が知っていた。私が愛している部分だった。そうだ。そうだった。彼には、夢が叶うまで努力し続ける諦めの悪さがある。SUGAさんも「結局はあなたの思うようにいきます」と話してくれていた。
不安を打ち明ける彼とは裏腹に、何があっても乗り越えていけると確信した瞬間だった。それくらい、彼の意志が嬉しくて有難いものであった。
ステージに立てばカッコよくない瞬間が無い彼らが言う、「ステージでカッコよくなくなるまで」は、「永遠」という言葉よりもずっとずっと永いものを指すのだと思う。
「歳をとってもずっと13人で一緒にやりたいです」と、「波が穏やかになっても僕ら一緒にいましょう」という言葉は、きっと私が思っているよりも遥か先の未来まで守ってくれるような、そんな強さを帯びていて。ただただ、ありがたかった。
まだ完璧じゃない愛かもしれないけれど、今後それぞれの人生で何が起こるのかわからないけれど、それでも深い香りとなってあなたは生き続ける。波が穏やかになっても、世界が反対に回っても、道を迷わずにあなたのもとへ歩いていく。いつもそうしてきたように笑顔の花を咲かせて、回り回ってまたあなたたちのもとに帰っていくように。
波が穏やかになっても、僕ら一緒にいよう。
ホシくん。
あなたの話す夢のひとつひとつに、私はこの世界の希望を見出していて。
だから、あなたの夢のお話がだいすき。
「今僕がしていることが僕の夢であり、また新しい夢を見ています」と日々の活動を振り返ってくれたことも、「僕たちの道を応援してくれるおかげで、僕は新しい夢を見て走っていくために練習して自分を成長させています」と前を向いて歩んでいることも、きっと忘れない。
そして、今回のCARAT LANDで「これからの夢はCARATの皆さんに恥ずかしくないステージをお届けすることです」と話してくれたこと。あなたの夢に、CARATの存在があること。すべてありがたくてどうお返しすれば良いのかわからないけれど、お互いにとっての希望の星になれるように、どこまでも一緒にいよう。
そう決意した、私の旅行記。
2023.3.23
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