1.僕と髪染めの話

どうも、初めまして夢屋まさるです。簡単に自己紹介させていただくと、東京でピン芸人をしている者です。主に「パンケーキ食べたい」の一言でお仕事をさせていただいている者です。それでもピンとこない人にわかりやすく説明するのならば、簡単にいう所のカラフルなオウムです。「こんにちは」とか「お帰りなさい」とか覚えた数単語を発するだけで皆様から「すごいね〜」と言われる存在です。奇遇にもテレビに出る時の格好はカラフルなのでまるでオウムの様な出で立ちです。

まあ、自己紹介はこんくらいにしておいて。僕をテレビや雑誌やら何やらで見たことがあると言う人は「こいつ文章書けるのか?」と思う方もいるかもしれませんね。それは確実に間違っていないイメージだと思います。自分のことを客観視すれば、確実に何かをやっているな、とは思いますもの。(まあ、本当に何もヤッテはいないのですけど。)

実は、あんな感じで僕は本も出版しちゃってたりして。タイトルは「パンケーキ食べたいの人です、本当はもなか食べたい」。レシピ本か何かと思いきや、意外にもエッセイと短編小説の約300Pの自叙伝です。何気にアマゾンレビューでは5点満点中4.5点の評価を頂いていたりしていて。自分で言うのは恥ずかしいですが、かなりの傑作です。読んでくれた芸人もみんな褒めてくれます。「短編小説滅茶苦茶面白かった!」と。いや〜僕の本の内容の殆どはエッセイなのだけれど。短編小説を載せるのに、担当の編集者様に物凄くワガママを言ってしょうがなく載せてもらったものなのだけど。あの本で短編小説の扱いは、「少年ジャンプの最後の数ページのよくわからない広告」くらいなのだけど。まあいいです。褒めてくれるのならば。

さりげない、僕の本の宣伝はここまでにして。(みんな買ってね←まだ言うか!)このnoteという媒体では、何気に文章を書くことが好きな僕が本に載せるまでもない、しがない話を綴らせてもらおうと思います。よしなに。そんなこんなでやっと本題なのですけど。

コロナウイルスの影響で、不要不急の外出を控えなきゃいけない今の世の中。先日、僕は久しぶりに美容院に行きました。3ヶ月振りですかね、行くのは。伸びてしまった分を散髪してもらうのと、髪を染めてもらおうと思いまして。

散髪をしてもらい、出してもらった瓶のコカコーラを「何故、同じ味のはずなのに瓶のコーラは2割増しで美味しく感じるのだろう」としょうもないことを考えながら、髪を染めてもらっている時にふと思ったんです。「缶のコーラも2割増しで美味しく感じるから、要はペットボトルのコーラが逆にマイナス2割の美味しさなのではないか」と。嘘です。大嘘です。本当は、「今こうやって髪をごく当たり前に染めているけど、初めて髪を染めたときはどんなんだったろうな〜」と。

気付けば当たり前に出来ていることってあるじゃないですか。動く階段ことエスカレーター、目に薄〜〜い異物を入れることコンタクトレンズ、絶対にファッション性より痛さが上回りそうなタトゥー。Aのキーボードには「ち」と書いてあるのに「あ」と表示される謎のPCのシステム、夜でも挨拶は「お早う御座います」の芸能人の文化、Mステドタキャンでお馴染みのタトゥー。どれも初めは絶対に恐怖感や疑問を抱いていたはずなのに、気付けば当たり前に生活の一部に溶け込んでいますよね。

僕が髪を初めて染めたのは高校1年の秋。うちの高校は髪染めOKで、周りにも染めている人が多かったのと髪を染めるという行為が大人の階段を上がれるのではないかという憧れから髪を染めてみようとなった訳です。でも染めた経験なんてないし、いざネットで「髪染める 初めて」で検索したら「滅茶苦茶にシミて痛いdeath!」とか「将来ハゲます!」とか出てきちゃって。怖いのなんの。

だけど、流石当時の高校生の僕。恐怖心よりも大人になれるのではないかという憧れが勝ってしまったんです。いざ、美容院について「髪色は何をご希望ですか?」と聞かれ、とりあえず初めは茶髪から入るのが王道だと思い「ブラウン系で!」とお願いしました。さあ、ここからが問題。

「ブラウンにも暗めのものから、明るいものから、アッシュ系も御座いますがどれになさいますか?」  (アッシュ系?アッシュ?何それ?でもアッシュっていう言葉の響きマジイカしてない?!)             「アッシュ系でお願いします。」   

そして約1時間後に僕は後悔することになるのです。

シャンプーも乾かしも終了し、髪を整えてもらいながら鏡でまじまじと完成系の自分の髪色を見た時に言葉を失いました。今までの黒髪の僕はその鏡の向こうの世界には存在しなく、くすんだ濃いめのミルクティー色の髪色の少年が居たのだから。

「どうですか〜お客様、結構雰囲気変わりましたよ〜」  「あはは、そうですね〜有難う御座います、とても気に入りました。」 この時のとても気に入りましたの棒読み加減は僕の人生上、第3位でしょうね。 そして僕は1時間前に知識もないのにアッシュという言葉のかっこよさだけでオーダーをしてしまった過去の自分を呪いました。何故、高校生はカタカナ言葉をカッコイイと思ってしまうの。本当はちょっと茶髪になればよかったのに。少しのほんのチョピットの変化でよかったのに。高校生の少年は焦りました。「このままでは、明日確実に学校でイジられる。だって頭がミルクティーなんだもの。」今まで、頑張って築き上げたクラスであまり目立たないなりにもヌルっと溶け込むこのポジションを失ってしまう。そう考えた僕はそのままドンキホーテに駆け込み、黒染めのカラー剤を買って家に帰宅して、泣きながら風呂場で染め直しました。元の黒髪に。必死に説明書を読んで、生え際にも行き渡るよう入念に入念に。お願いだからミルクティー要素が消えてくれと、必死に慣れない手つきで染めたことを今でも覚えています。

カラー料金とドンキで買ったカラー剤の約5000円の高校生にしてはあまりにも痛い出費。そして、髪を染めたことが無かった少年が他人の手と自らの手で1日に2回も染めた日。この思い出を作ってくれた中目黒という街は今でも忘れません。

そして、現在。僕は、あの時の教訓を守っているのかって?いいえ。今では髪を2回ブリーチしては青にしたり、紫にしたりと当時の「アッシュ系」を超える奇抜な髪色にしています。ヤング志茂田景樹。気づけば、髪を染めることに対して深く考えることもなくなっていました。青に初めてした時は流石に街中で色々な人にジロジロ見られて距離を取られたり、電車で座ると隣の席が空いているのにも関わらず誰も座らないことに「あれ?」とは思いましたが、今では慣れました。早めに僕はソーシャルディスタンスしてたみたいです。

そして、今回の髪色は久しぶりの「黒」です。黒髪に戻すのは余りにも久しぶりなことなので、何気に緊張するのです。あの時の僕とは逆ですね。黒を辞めるではなく黒に戻す。そして瓶のコーラを嗜みながら1時間後。


僕はまた後悔しました。何故、黒に戻してしまったのか。個人的に青の方が似合っていたと思うし、何だかキャラが薄くなった気がするのです。でも、あの時みたいにドンキに駆け込むことはしませんでした。黒に戻すのは簡単でも、青に戻すのは素人ではかなり大変なのです。この黒髪も少し時間が経てば慣れることを願うばかりです。黒髪にして今の所、良かったなと思うのは水に濡れても、青い液体が頭から流れてこないくらいですかね。青にすると、本当に色落ちが早くて染めて直ぐだと雨を浴びても青い液体が滴ってくるんですよ。お陰様で何着かの白い洋服が微妙に青みを帯びています。

髪を染める事のように子供の頃には「出来ないな」と思っていたことがいつの間にか出来ていることって意外とありますよね。でもちょっと寂しくも感じます。だって「髪を始めて染める」時のワクワクや憧れは今ではもう味わえないのだから。僕の場合はワクワクよりも後悔が上回ってしまったんですけど。これから経験する初めてのことはなるべく「アッシュ」みたいなよくわからない選択肢は避けていこーっと。それでは御免ください。 また明日。                                       (670)


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