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そのまんまで素敵だよ

尊敬する東急百貨店の松田さんが、高島屋の大橋恵子さんの2013年の講演会を記録した「そのまんまで素敵だよ」という本を貸してくださいました。

大橋さんは、中学校の体育の先生から、怪我を契機に特別支援教育の世界に入り、生徒の働き先がない現実に接し、学校を離れて就労場所を作る活動に就かれ、高島屋で障がい者雇用を始め、育てられた方です。

大橋さんは、働くとは、人偏に動く、傍らを楽にすることと定義され、生き生きと働くための5つのポイントをあげておられます。

1自己選択・自己決定

2適切な目標設定

3生産性の追求

4閉鎖的な空間に留まらない

5充実した余暇を送るというものです。

この5つのポイントって、生産性の追求以外は、ユメソダテのプロセスに不可欠なことばかりです。

これらのポイントをクリアするためには、まず「社会はあなたを必要としている」ことを本人が理解すること、自己肯定感がとても大切と大橋さんは話されています。

そして、このためには、障がいのある人の保護者が、子供の自己決定力を伸ばしたり、自分で移動や買い物ができるようにしたりするといった具体的な目標を示していますが、大橋さんが最も大切なこととして挙げられたのが、

「保護者自身の劣等感や被害者意識」がお子様の自己肯定感をさげていること、

親が子供に対して「そのまんまで素敵だよ」というメッセージを発することが、決定的に大切であること、

とおっしゃっているのが、とても印象的です。

ユメソダテで、親が伴走者をするのはとても難しいと感じていますし、私自身も同じです。親は伴走者よりも、もっともっと基本的で重要な役割を果たしているからだと、常々思ってきましたが、なかなか言葉になりませんでした。

大橋さんの言葉に接し、ああ、単純にこういうことだよなと膝を打ちました。

子供を受け入れ愛すること、これに尽きるのですね。このファンダメンタルズがあって、初めて、夢の種が生まれ、傾聴も伴走も、実りあるものになるように思います。

人というものは、どんな境遇にあっても、どんなに障がいがあっても、成長するものだと、私は信じています。

そして夢って、必ずしも、最初に抱いたとおりに達成することが一番素敵とは限らないとも思っています。

僕自身もそうですが、私たちは、世の中の仕事や活動や人の、ほんの一部分しか知りませんし、出会ったことがありません。

僕も野球選手や、探検家or文化or自然人類学者や、ロックスターを夢見たことがありますが、知らないことを夢見ることはできません。

夢を育てる過程で出会う人や経験は、私たちの世界を拡げてくれますし、大きな成長の糧になりますし、夢を描きなおさせてくれます。

でも興味関心のない出会いや経験から成長するのは、難しいと思います。

出会いや経験の海にどう漕ぎ出すのか、その広い世界でどう自律的に成長するのか、その燃料とかエンジンとか羅針盤が夢なんじゃないかなと思います。

ですから、夢を抱き、育てることは、出会いや経験を前向きに受け止め、成長する機会にしていくことだから、素敵なんだと。

嫌なことを我慢して働いたり暮らしたりする姿から抜け出して、夢や希望に向かって進んでいく力とか意思が、生きてる実感をくれるんだと。

大学生のころに掛かったJean-Luc GDARDのPASSIONという映画のセリフを思い出して、検索したら出てきました。internetって本当にすごい。

Quand vous dite vous aimer le travail, aimer ça vient d'amour ? Non ça vient pas, ça y va.

あなたが仕事が好きだという時の、好きaimerは、愛amourから来るの?違うでしょ、愛から来るんじゃなくて、愛amourへ向かうのよ。

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